吉川晃司主演『SEMPO』連日の総立ち

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 吉川晃司主演のミュージカル『SEMPO~日本のシンドラー 杉原千畝物語~』が、初台の新国立劇場で上演中だ。日本のシンドラーと呼ばれる外交官・杉原千畝(ちうね)さんを描く物語で、吉川は、歌と演技、そしてその存在感を持って熱演。他キャストらとともに感動を届け、連日観客を総立ちにさせている。

 第二次世界大戦中に多くのユダヤ人たちを救った外交官・杉原千畝さんを描く。杉原さんは当時、リトアニアで領事を務める外交官で、国を追われて逃げてきたユダヤ人たちに、自らの危険を顧みずに「命のビザ」と呼ばれる日本通過ビザを発行した。  

 2008年の初演から5年ぶりとなる再演。シリアスな舞台ではあるものの、観客の緊張をほどくユーモアもある。前回よりも「全体的にエンターテインメント性が増した」と吉川本人は語っていたが、その分、吉川の演技の重みは強まっている印象だ。

  戦火の強まるヨーロッパ、すべてを失った上に命の危険にさらされる人々。そして、祖国と目の前の助けを求める人たちの間で大いに悩む杉原さん。物語は息が詰まるほど深刻だが、どんな苦難のなかにありながらも、家族の愛、互いを想いあう気持ち、人が自分の思う正義のもとに行動するさまに、勇気づけられる。

 公演は29日までと大詰め。海外からも観劇に来ているそうで、英語字幕付きで上演されている。詳細は公式ホームページ(http://www.sempo2013.com/)で。