FRONT PAGE INTERVIEW　今市隆二（三代目 J Soul Brothers）

　2013年は、三代目J Soul Brothers（以下、三代目）にとって、いつも以上に「学び」と「刺激」の年だった。EXILEのリーダー、そしてEXILE TRIBEの長として、アーティストたちを引っ張ってきたHIROが年内を持ってパフォーマーから勇退する。その決定は、三代目にもインパクトを与えた。

「EXILEはもちろんですが、三代目はもちろんLDHに所属するアーティストは全員、HIROさんの勇退ということが中心になって、この1年動いていたなって思います。三代目は、EXILEのツアーを一緒に回らさせていただいて、HIROさんのパフォーマンスを目に焼き付けることができました。見に来ていただいたみなさんの前で、一生懸命にパフォーマンスしている姿に改めて感動しましたし、HIROさんがいなかったら自分はここにいないってことや、考えれば三代目どころかEXILEもなかったことだとか、いろんなことを感じました。今年は、これからにつながる経験がたくさんできました」

　ライブはもちろん、作品のリリース、さまざまな活動を展開するなかで、その思いは常に胸の中にあった。そして完成させたのが、2014年元旦に同時リリースされる初のベストアルバム『THE BEST』とニューアルバム『BLUE IMPACT』だ。

「シングル曲、ライブでファンのみなさんと育ててきた楽曲…。デビューして3年になりますが、初めてのベストアルバムにはこの3年間がぎっしりと詰まっています。収録曲を選ぶのは本当に大変で、泣く泣くあきらめた曲もありますが、EXILE TRIBEとしての楽曲もあるので、EXILEのDNAの継承感が伝わる内容になっていると思います」

『THE BEST』が3年の集大成というならば、『BLUE IMPACT』はこれからへの決意表明。ライブを大切にしている三代目らしく、冒頭の『JSB Blue』を皮切りに、ライブを意識して制作されているのが分かる。2014年、三代目はこの作品を携えてのツアーでスタートを切る。

「ツアーを意識していたので、ここでこういう曲があったらいいなとか、こういう曲調もほしい、そういったイメージがしっかりあって、そのうえで制作が進んでいった印象ですね」
　みんなで盛り上がれるライブアンセムはもちろん、パフォーマーのキレのあるダンス姿が浮かんでくるダンサブルなナンバー、感情を揺さぶる歌ごころのある楽曲など、抑揚のある内容だ。なかには、ずっと一緒にいようと歌い上げる透明感のあるウインターラブソング『Forever Together』なども。

「今までの三代目にはなかったタイプの曲ですよね（笑）。この曲では、ファンの方々とよりコミュニケーションがとれるんじゃないかなって思っています」

　ツアーは、EXILE TRIBEのアーティストが年間を通じてライブを繰り広げる「EXILE TRIBE PERFECT YEAR 2014」の第1弾でもある。

「プレッシャーもあります。だけど今は、みんな“しっかりかます！”っていう気分になっています。もともと、EXILE TRIBEにおける三代目は特攻隊長みたいな部分もありますしね（笑）。EXILEのツアーを一緒に回るなかで、バラードでも踊れたり、いろんな曲に対して変化できるっていう三代目らしさも見えてきました。このパフォーマンスを武器に、さらに成長した三代目、衝撃を届けたいと思っています」

　クリスマスも年末年始も関わらずリハーサルが続くが、「でも、今はそういう時なんです」と、今市。さらなる飛躍に向けて、まい進する。

「三代目としては、2015年にドームツアー、そしてデビュー10周年となる2020年は東京オリンピックもあるので、そこでパフォーマンスすることを想像しています（笑）」
　その目標を実現させるためにも、2014年は個人的にも挑戦の年にするという。

「ボーカリストとして、歌を磨き、深みを持たせて、ソロとしても行ける！ぐらいになれるように頑張っていきたいです。というのも、この間、１人でニューヨークに行ったんですけど、アポロシアターを訪ねたりして、歌い手として、1人でも歌で見せられる、エンターテインメントができる、そういう一人前な存在になりたいって思って。こういう意識は、三代目を高めていくうえでも大切なんじゃないかなって思います。みんながそういった思いを胸に動いていたら、集まった時、三代目はもっとすごくなると思う」

　三代目として、ボーカリストとして、そして夢を追う1人の人間としてたくさんの刺激を得た2013年。来年はインプットした刺激を歌やパフォーマンスに変えて、アウトプットする。今市の、そして三代目の衝撃はかなり大きそうだ。
（本紙・酒井紫野）