サッカー天皇杯で横浜FMが21年ぶり7度目の優勝
サッカーの第93回天皇杯決勝が1日、東京・国立競技場で開催され、横浜F・マリノスがサンフレッチェ広島を2−0で破り、Jリーグ発足前の1992年以来、21年ぶり7回目の優勝を果たした。
立ち上がりからDFラインを上げ、積極的に攻める横浜は前半17分、DFの小林が右サイドをドリブルで切り込む。DF陣につぶされるものの、FW端戸、MF斎藤とつなぎ、斎藤が右足を振り抜き先制点をあげる。かさにかかって攻め立てる横浜は21分にはMF中村の左コーナーキックからMF中町がヘディング。広島のGK西川がパンチングで防いだところ、詰めたDF中澤がヘディングでゴールを決め、2−0と突き放した。
出鼻をくじかれた広島は、どうにも前にボールを運べない。DFラインで取ったボールをビルドアップしようにも、横浜の早い寄せにボールを奪われ、ピンチを招く場面もしばしば。
12月29日に行われた準決勝でFC東京相手に120分間戦い抜いた広島には目に見えない疲れもあったのか、後半こそ立て直し、得点機も演出したものの、もう一人詰めきれない、もうひとつパスの精度が足りないという、もどかしい展開で得点を奪うには至らなかった。
広島はJリーグ発足後5度目の決勝進出だったが、5連敗。またも優勝は果たせなかった
この2チームは今季のJリーグの1位と2位。リーグ戦の最終節で広島に差された横浜にとっては雪辱も果たしたことになる。
「悔しさをぶつけるだけ」と闘志を燃やしていた中澤は「これで心置きなく休める」。
リーグ優勝を逃した時は号泣した中村も「悔しさを晴らすのが来季ではなく、こういう形で終えられてよかった」と笑顔を見せた。中村にとっては2010年に横浜に復帰後、初のタイトルでもあり、そのうれしさは格別のものがあったに違いない。
一方、広島の森保監督は「入りのところがすべて。難しい試合にしてしまった」と早い段階での2失点を悔やんだ。清水を投入した後半は積極的に前に出たが、横浜の守りを崩しきれなかった。
延長120分を戦った準決勝のFC東京戦から中2日。指揮官は「疲労のため、もっとギアが上がるところで上がらずに終わった」とスタミナ切れを一因に挙げたが、主将の佐藤は「疲れで片付けられれば一番簡単だが、疲れているのはマリノスも一緒。自分たちが足りなかったところを受け入れないと」と語った。
2月に開催されるJリーグ覇者と天皇杯優勝チームによる「富士ゼロックス・スーパーカップ」で再び対戦する両チーム。広島はJリーグ2連覇を達成したものの、横浜には3戦3敗。Jリーグ王者のメンツにかけて負けられない戦いとなる。