ソチ五輪 日本勢 大健闘 スノボHPで15歳平野が銀、18歳平岡・銅

 ソチ五輪の開会式が7日夜(日本時間8日未明)、ロシア南部ソチのフィシュト五輪スタジアムで行われた。
 冬季史上最多の87カ国・地域から約2900人が参加、23日までの17日間熱戦が繰り広げられる。
 日本選手団はカーリング女子の小笠原歩が旗手として行進。248人の選手団は冬季五輪の海外派遣で過去最多。選手は男子48人、女子65人の計113人。冬季では初めて女子が上回った。
 第5日の11日(日本時間12日)に行われたスノーボード男子ハーフパイプ(HP)で、平野歩夢(15)が銀メダル、平岡卓(18)が銅メダルを獲得した。今大会、日本勢としては初めてのメダル。15歳2カ月の平野は冬季五輪での日本勢最年少メダリストとなった。スノーボードで日本のメダルは初めて。優勝はユーリ・ポドラドチコフ(スイス)で、ショーン・ホワイト(米国)は4位で3連覇を逃した。
 平野は決勝1回目で90.75の高得点。平岡に上を行かれて迎えた2回目、平野はさらに過激な技で攻め、93.50点を叩き出した。
 五輪3連覇を狙ったホワイトにあこがれ、今では「次世代のショーン・ホワイト」と呼ばれる。自身も「今回の五輪で一番のライバル」と王者をにらんだものの、始まってしまえば「そんなに気にしていなかった」。予選と決勝で行った4回の演技のうち、3回で90点超え。精度を欠いたホワイトを尻目に、華々しい演技で絶対王者を表彰台からはじき出した。「今思ったらちょっとうれしい」。競技終了後の会見で、喜びに浸った。
 平岡にとってソチは昨年2月にW杯初優勝を遂げた相性のいい会場だった。それでも1回目はミスが出た。連続のダブルコークの2つ目で尻もちをつき、9位。しかし、焦りはなかった。2回目にダブルコークを完璧に決めて2位に。直後に滑った平野に抜き返されたが「歩夢はうまいな」と思えた。納得の銅メダルだった。
 スノーボードといえば、どうしても4年前の騒動を思い出す人も多いだろう。同じ五輪での、当時エースだった国母和宏による「腰パン」騒動。
 以降、全日本スキー連盟は「人間力なくして競技力の向上なし」と代表選手には規律を課す一方で、専属のメンタルコーチを採用し、選手の言い分にも耳を傾けた。そして今回、代表チームのアドバイザーとして選手に寄り添ったのが、4年前の苦みを知る国母だった。
 今大会で日本のスノーボード界は新たな歴史を刻んだ。