松村が日本選手トップでアジア大会代表有力候補に 東京マラソン 男女ともに大会記録で優勝

 今年で8回目を迎えた東京マラソンが2月23日行われ、3万6000人が参加した。
男子はケニアのディクソン・チュンバ(27)が大会新記録の2時間5分42秒で初優勝。ロンドン五輪銀メダルのアベル・キルイ(ケニア)は10位だった。
 女子はエチオピアのティルフィ・ツェガエ(29)が2時間22分23秒の大会新記録で初優勝した。
 今回は9月開幕のアジア大会(韓国・仁川)男子代表選考会を兼ねて行われ、松村康平(27)=三菱重工長崎=が、自己記録を2分以上更新する2時間8分9秒で日本選手トップの8位に入り、代表の有力候補となった。
 また女子では2011年世界選手権代表の伊藤舞(大塚製薬)が2時間28分36秒で日本勢トップの7位となった。
レースは、ペースメーカーが外れた30キロ過ぎにアフリカ勢がスパート。先頭集団から離された松村ら日本勢は終盤まで粘り、5人が2時間10分を切った。ロンドン五輪代表の藤原新(ミキハウス)は76位、初マラソンの宮脇千博(トヨタ自動車)は2時間11分50秒の15位だった。
 世界の主要マラソン大会で構成する賞金ツアー「ワールド・マラソン・メジャーズ」に加入後、2回目の開催となった今年は世界トップクラスの実力を持つアフリカ勢が多数参戦し、男子は上位3人、女子は上位4人が大会記録を更新するハイレベルなレースとなった。
 ペースメーカーもケニア勢が務めた高速レースとあって、先頭は中間点で1時間3分3秒という日本記録更新も狙えるハイペース。松村は29キロ付近で先頭集団から遅れ始めたが、粘り強い走りで大きく後退することはなかった。ゴール後、松村は「最初から、いっぱいいっぱい。でもついていかなかったら2時間10分を超えてしまうんで…」と懸命の走りを振り返った。
 山梨学院大から実業団に入って5年目。川内優輝(埼玉県庁)や堀端宏行(旭化成)と同学年の27歳。「代表レベルが多い年齢。勝ちたい気持ちがあった」という松村が悲願の日本代表の座に大きく近づいた。