4月1日から消費税8%に 「節約」「ストック」増税前のキャンペーンが加熱
4月1日に消費税が現行の5%から8%に増税される。アベノミクスで景気は上昇しているというものの、毎日の生活のなかで、その影響はいまだ実感しにくい状況。そんななかでの増税は消費者の懐ろに大きなインパクトを与える。百貨店を始め、スーパー、ドラッグストアなどでは、増税を控えて、さまざまなキャンペーンをスタートさせている。
消費税増税まで1カ月を切り、スーパーの店頭がいつも以上に活気づいている。「節約」や「ストック」といったフレーズが掲げられ、「まとめ買い」のサインが目に飛び込んでくる。賢く買い物をして、楽しく消費する。そんなスタイルを提唱しているのだ。
イオンは電子マネーでポイント上乗せ
総合スーパーのイオンは、2月20日、「今こそイオン!!」セールをスタートさせた。品川シーサイド店の食品フロアには、天井から「増税前の今こそイオン!!」というメッセージがいくつも下がり、「生活応援!」のフレーズとともに、食用油やミネラルウオーター、ペットボトル飲料、米、カレーやシチューのルウ、お菓子などが所狭しと並ぶ。増税前の買い物アイテムの軸は、買い置きしておけるもの。それが一挙に集められている。
増税前の買い置き需要に合わせて、イオンが展開するのは、電子マネー「WAON」を活用したセールだ。「WAON」で支払うと付与されるボーナスポイントの対象商品を通常の約1.6倍にあたる約4000品目に広げるうえ、最大で販売価格の28%相当が付与されるキャンペーンだ。
対象商品は、食料品、日用品のみならず、衣料品、紙おむつやベビーカーといったベビー用品、新生活の時期に合わせて、大型家具や高機能家電もカバーする予定だという。
キャンペーンは、2月20日にスタートした第1弾を皮切りに、10日間ごとに商品ラインアップを変えながら、3月31日まで継続して行っていく計画。この間に、普段の買い物、節約やストックの目的で買い物をすることで、より多くのポイントが貯められるうえ、4月1日以降はそのポイントを使って買い物ができるので、ポイント分で増税分を多少なりとも補うことができるという寸法だ。
取材を始めてから20分とたたないうちに、売り場には夫婦や家族づれなどでいっぱいに。なかには、6本入りのペットボトルの箱を複数カートに積み込んで颯爽とレジへ向かっていった女性客や、米、酒、ドリンク、お菓子などそのコーナーに置かれていた商品でかごをいっぱいにしている人も見られた。「買いだめは考えていなかったけど、ポイントももらえるならお得だから買っておこうかな」というのは、今日の食卓の買い物をしにきたという主婦(60)。かごには、6本のペットボトル飲料が入っていた。
SEIYUは分かりやすい均一価格
大手スーパーのSEIYUは昨年、ユーザーからアンケートを募った。その結果に基づいて、ニーズの高い商品を選び、年明けから「増税前にストック買い(まとめ買い)!キャンペーン」を実施。2月20日からは、人気商品を同一価格で提供する「81円(税抜)キャンペーン」(5日まで)を始めた。これまでもさまざまなキャンペーンでリーズナブルな価格を打ち出してきたSEIYUならではの、分かりやすくお得感のある均一価格のセールだ。このセールでは、生鮮品を含む約120品目を税抜81円で販売。対象商品には、飲料やみそ汁、カップ麺、お菓子など、新規商品も投入している。
キーワードは「まとめ買い」
増税までカウントダウンが始まるなかで、これまで以上に、ストック目的での駆け込みショッピングは増加しそうだ。そんななかで、各社がより力を入れるのが、「まとめ買い」への対応だ。
ドラックストアのマツモトキヨシでは、31日まで「まとめ買い祭」を開催中。約500アイテムをお得な価格で提供するほか、対象商品をセット購入すると値引きに。また、対象商品の購入合計金額が税込5000円以上でポイントが5倍になるという、「まとめ買い」でお得になるキャンペーンだ。
イオンでも、「まとめ買い」はポイント。トイレットペーパーや紙おむつをケース販売。ボーナスポイントの対象商品でもあり、「トップバリュ トイレットペーパー各種」(1ケース12ロール×8)では販売価格の約17%相当、「トップバリュ ベビーオムツ・パンツ各種」(1ケース3個入り)では販売価格の11%相当とポイント率も高い。ベビーフードや赤ちゃん用のペットボトル飲料も「まとめ買い」として販売されていた。SEIYUでも、3月上旬から「よりどりまとめ買いキャンペーン(仮)」を開始する。
増税まであとわずか。増税前のキャンペーンはさらに過熱していきそうだ。