修斗 大尊が環太平洋のベルト奪取

 プロフェッショナル修斗の公式戦が16日、水道橋の後楽園ホールで行われた。
メーンの環太平洋ウェルター級チャンピオンシップでは第6代王者の佐々木信治が初防衛戦に挑んだが、2R4分、挑戦者・大尊伸光の左フックに沈み、王座から陥落した。
 大尊は昨年行われたインフィニティトーナメントの優勝者。同トーナメントは若い選手の登竜門的なもので、2012年から開催。優勝者にはランキング上位の選手との対戦といったビッグチャンスが与えられる。大尊はトーナメントをぶっちぎりの強さで制してきた、今最も勢いのある選手。
 1Rから挑戦者らしくアグレッシブに前に出る大尊はガードの上からも左右のフックを連発。押せ押せの大尊は2Rも前へ前へ。威力が増したパンチが佐々木を襲う。百戦錬磨の佐々木は組み付いて引き込むとラバーガードから三角絞めを狙うが、攻め手を欠き、レフェリーがブレイク。スタンドに戻って、今度は佐々木が先制のパンチを放つが、大尊がカウンターの左フック。ダウンした佐々木に大尊が追撃のパウンドを落とすとレフェリーが試合を止めた。
 セミファイナルでは環太平洋フェザー級の王座決定戦が行われ、根津優太が3−0の判定で小野島恒太を破り、第4代王座に就いた。この2人はこれまで2度対戦し、1勝1敗。常にハイレベルな熱戦を繰り広げ、「今度はタイトル戦で」という両者の思いが実現した一戦だった。
 この日、タイトル戦に負けないほどの注目を集めたのが、正城ユウキと内藤のび太の「世界フライ級次期挑戦者決定戦」。正城はバンタム級時代、2度世界に挑戦、また後の王者とも激戦を繰り広げてきた歴戦の強者。一方の内藤はドラえもんのテーマ曲で入場し、盟友のジャイアン貴裕との「ジャイアンとのび太」キャラで会場を沸かすという一見“イロモノ”に見せながらも、ゴングが鳴ると目つきも一変。デビュー以来破竹の6連勝でここまで上り詰めてきた。
 先手を奪ったのは正城。大きなダメージは与えられないものの、組み合っても優位なポジションを常にキープする。しかし内藤は2Rに入るとしっかりとアジャストした戦いを展開する。距離を図るように遠めからのタックルを繰り返し、スタンドでも遠めからのパンチで正城に中に入らせない。3Rにはついに内藤がテイクダウンを奪う。最後までフロントチョークで一本を取りにいくなど、アグレッシブに攻め続け、三者ともに29−28の3−0の判定で内藤が勝利を収め、王者・室伏カツヤへの挑戦権を獲得した。
 試合後はいつもの通り、ジャイアン貴裕がマイクを握り、会場の室伏に「おまえのベルトは俺のベルトだとのび太が言ってます」とアピールすると、のび太は「言ってないです。すいません」とお約束の展開。果たしてタイトルマッチで内藤はどんな試合を見せてくれるのだろうか。

5・5佐藤ルミナが引退式
「プロフェッショナル修斗 25周年記念大会」として5月5日に水道橋の後楽園ホールで開催されるプロフェッショナル修斗公式戦で“修斗のカリスマ”佐藤ルミナの引退式が行われる。引退試合は行わないため、2012年12月24日の『VTJ 1st』での所英男戦が最後の試合となる。
 また『VTJ』の今後の日程が発表。6月28日に大阪・ボディメーカーコロシアム第二競技場で『VTJ 5th』、10月4日に東京・大田区総合体育館で『VTJ 6th』が開催される。