綾野剛 蜷川舞台に闘志「おもちゃにしてほしい」

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 蜷川幸雄演出の舞台『太陽 2068』の製作発表が23日、都内で行われ、主演の綾野剛を始め、成宮寛貴、前田敦子らが登壇した。蜷川舞台に初出演&初主演となる綾野は、「現場に行かないと(どんな感じなのか)分からない。(蜷川さんの作品に出演したことがある)成宮さんの胸を借りていくところもあると思います。面白がってもらって、おもちゃのように扱ってほしい、その方が......」と、ニヤリと笑った。

 バイオテロが原因で、優れた能力を持つものの太陽光の下では活動できない人間とふつうの人間で、二分された社会を舞台に、人々の対立や交流を描く、SFタッチなストーリー。スーパー歌舞伎Ⅱ『空ヲ刻ム者』でも作・演出を手掛けるなど、活躍の場を広げている前川知大が、自身が作・演出を担当している劇団「イキウメ」に書き下ろした戯曲をベースに、手を加えた。前川は、「エンターテインメント要素のある作品ですが、ずしっとくるセリフや展開もあるので、いろんな世代の人に見ていただきたい」。

 本作はまた、前田敦子の舞台デビュー作としても話題を集める。前田は「お話をいただいた時は本当にびっくりしました。とても悩ませてもらっちゃったんですけど、蜷川さんにお会いしたときに、違う世界に連れて行ってほしいなと純粋に思うことができました。自分自身を分かってない段階なんですけど、これからどんなふうに変わっていくというか、何かを見つけられるのか、すごく楽しみ」と、前のめりだった。

 蜷川は、「この舞台は、スタッフから僕への挑戦の企画」と、話す。「ばい菌のように、猛毒を持った獣のように荒れ狂い、人々に毒を振りかける。たまには美しい芝居もしますが、できるだけ迷惑になるような、世界は混濁したものと同時にともに成立するんだということとを忘れないように頑張りたいと思っています。この舞台でも、ぜひ、いい仕事をしたい」と、意気込んだ。

 7月7日~8月3日まで、Bunkamura シアターコクーンにて上演。