“人”– PEOPLE 陳光誠氏(中国の人権活動家)
中国共産党政権が学生らによる民主化運動を武力弾圧した天安門事件から25年を迎えた4日、現場となった北京では当局が厳戒態勢を敷き、民主化勢力の動きを押さえ込んだ。しかし香港など各地では、犠牲者への追悼集会や中国への抗議集会が開かれた。
天安門広場周辺には4日、いつもより多くの警察車両や小銃を抱えた警官らが配置され、複数ある広場入り口では観光客らの手荷物を厳しくチェックしていた。
民主活動家らの拘束が伝えられる中、当局は国内報道を規制。中国共産党機関紙、人民日報をはじめとする中国各紙は事件を黙殺。NHK海外放送の関連ニュースも同日、約3分間中断されるなど規制は海外メディアにも及んだ。
一方、中国国内で「一国二制度」が保障されている香港では4日夜、民主派団体「香港市民愛国民主運動支援連合会」の呼びかけで、犠牲者を悼む集会が香港島のビクトリア公園で行われた。主催者側は香港で開催された追悼集会としては過去最多の18万人以上が参加したと発表した。
ワシントンでは4日(米国東部時間3日)、中国当局による自宅軟禁を逃れて渡米した盲目の人権活動家、陳光誠氏(42)が講演した。陳氏は中国政府による人権抑圧をやめさせるため世界各国の支援を呼び掛けた。陳氏は、「25年前の今日、中国の権力者は数百人の同胞を黙らせるために殺すという悪行をなした」と強調。民主活動家の拘束や検閲が続いているとし、「腐敗した体制は経済的、軍事的な意味だけでなく、文化や文明にとっても脅威だ。人権活動家や弁護士、ネット活動家を助けてほしい」と訴えた。