いろいろな”愛”詰め込んだ最新作で音楽を楽しむ歓びを伝えたい —-木村大
クラシックギターの名プレイヤーとして国内外に名を馳せる、ギタリストの木村大(きむら・だい)。先日、最新アルバム『ONE』をリリースした。
「ジミ・ヘンドリックスやジェフ・ベックといった伝説のギタリストの作品にギター1本で挑んだ前作『HERO』の対になる作品です。自分の内側に意識が向かっていった前作に対し、開放的に自分を外に向けようと制作しました」
コンセプトは「愛」。モリコーネ『ニュー・シネマ・パラダイス』、マドンナ『ラ・イスラ・ボニータ〜美しき島』、スティング『シェイプ・オブ・マイ・ハート』、アデル『サムワン・ライク・ユー』など、映画音楽、ポップス、ロックの人気曲をピックアップした。
「楽曲が先行したもの、愛の形から選んだ曲などさまざまですが、激情的、内省的、誇り高きものと、いろいろな“愛”を表現するのにベストな曲を選びました。その足りないピースを補うオリジナル曲も収録しました。いろいろあるので、誰でも1曲(ONE)は気に入ってもらえるものがあると思います。みんなに音楽を楽しむ歓びを伝えられたら」
親交のあるフラメンコギタリストの沖仁を招き、コラボした。
「2曲参加していただいて、1曲は『レヴァンタール』というオリジナル曲です。この曲はパウロ・コエーリョの小説『アルケミスト』に由来しています。クラシックがフラメンコに恋をする設定で、彼はフラメンコ、僕はクラシックというそれぞれが持っているもので、お互いのいいところを引き出していると思います」
本作とギターを携え、現在、全国各地でライブやリサイタルを展開中。
「昨年初めてライブハウスでの演奏を経験したんですけど、とても刺激的でした。お客さんとすごく近いとか、お客さんが10人ぐらいしかいないとか(笑)。これを続けていくことで、自分の創作活動としてのライブがどのように変化していくのか、自分も楽しみです」