夏の甲子園は大阪桐蔭が2年ぶり4度目の優勝
第96回全国高校野球大会の決勝が25日、甲子園球場で行われ、大阪桐蔭(大阪)が三重(三重)に4−3で逆転勝ちし、2年ぶり4度目の優勝を果たした。
大阪桐蔭は今大会6試合中4試合が逆転勝ちというギリギリの戦いを繰り広げた。
決勝も初優勝を目指す三重が2回に先制するが、すぐにその裏、2死を取られながらも1点を返す。3回に同点に追いつくも、5回にまたリードを許す苦しい展開。しかし連投となる福島は崩れそうになりながらも我慢の投球で味方の反撃を待つ。そして迎えた7回、その福島が1死満塁で打席に立つが、あえなく空振り三振。しかし福島から「頼んだぞ」と思いを託された中村が詰まりながらも中前へ2点適時打し、試合をひっくり返した。
2012年に春夏連覇を果たした際には、藤浪(現阪神)、森(西武)という絶対的な「スター」がいた。しかし今回のチームにはそういった存在は見当たらない。文字通りチームワークと精神力でつかみ取った栄光だった。
大阪桐蔭は今大会は苦しい戦いの連続だった。1回戦の開星(島根)には初回にいきなり4点を奪われる。しかし2回以降小刻みに得点を重ね、7−6で初戦を突破する。2回戦の明徳(高知)には5−1とリードするものの、9回裏に明徳の4番・岸に2点本塁打を打たれ、ヒヤヒヤの勝利となった。
3回戦の八頭(鳥取)にこそ10−0と大勝したものの、準々決勝では異次元の敵が現れる。それは今大会、「機動破壊」のスローガンを掲げ、その圧倒的な機動力で走りまくり話題をさらった健大高崎(群馬)。健大高崎の足をからめた攻撃に苦戦を強いられた桐蔭だったが7回に中村の2点本塁打で突き放し勝利を収めた。
準決勝の敦賀気比(福井)には初回にいきなり5点を奪われる。1回戦を越える大ピンチだったが、大会を通じてたくましさを増した桐蔭ナイン。1、2回で同点に追いつくや4回に一挙5点を追加し、15−9で決勝に進出した。