格闘家イケメンファイル Vol.8 僕に2ラウンドはいらない 征矢貴(そや たかき)
ジムに短パンTシャツで現れた征矢貴。その人懐っこい笑顔は、格闘家という凄みをすっかり消し去っている。しかし、Tシャツを着ていても分かるがっしりした体は、やはり只者ではない。これまでプロになって4戦4勝、いずれも1RKO勝ちという圧倒的な強さを誇る格闘家なのだ。
「最初は特にプロを目指していたわけではないんです。15歳の時に、ここの道場に入会したんですけど、もともと格闘技のことはよく知らなかった。もちろん、総合格闘技とか修斗っていうのもまったく知りませんでした。中学校ではずっと野球をやってたんです。でも野球部って、中学校3年生の夏で引退で、引退したらまったくやることがなくなっちゃって、暇を持て余していた。そんな時にたまたま自転車でジムの前を通りかかって、なんか面白そうだなって思って見学させていただいたのが格闘技に触れたきっかけです。見学した時に、先輩の扇久保(博正:第8代修斗フェザー級世界王者)さんがいて、こんな世界があるんだって感じたのを覚えています」
今月27日には、東京・後楽園ホールで行われるプロフェッショナル修斗公式戦に出場する。
「これまで4試合やって、次が5試合目。対戦相手の菅原雅顕選手は世界ランカーで、実力も実績もある選手です。総合格闘技は、打撃と寝技があるんですけど、菅原選手は打撃、特にパンチの選手で、僕もパンチを得意としているので、激しい殴り合いになるんじゃないでしょうか。お互い打撃に自信を持っているので、激しくて誰が見ても面白い試合になるはず。また、初めて世界ランカーとやるので、それも楽しみです」
激しい殴り合いになるのが楽しみと笑う征矢。若いようで貫禄もあり、落ち着いているようで無邪気でもある。
「今、19歳なんですけどね、いつも老けて見られます(笑)。でも落ち着いているとたまに言われますけど、そんなことはないです。試合の前は、怖くなったり、弱気になったりもしますし、逆にまったく恐怖感はなく、勝てるという自信しかない時も。そういう弱気と強気の繰り返しですから、決していつも冷静なわけではない。相手についても、気にして映像を見て研究もします。もちろん、みなさんされていると思いますが、僕は特に気にするほうかも知れない。映像を何回も何回も繰り返し見て、絶対得意なパンチは試合でもらわないようにしようとか対策するんですけど、試合になると全部飛んじゃう(笑)」
そんな少年と大人が同居しているような征矢だが、好きな女性のタイプについて話が及ぶと、19歳なりに恥ずかしいようで…。「タイプですか…。大人しくて控えめな感じの子のほうが好き…ですね。試合前とかは試合のことしか考えられないので、ガンガンこられるとちょっと…。格闘技のことは何も知らないような子がいいですね。芸能界では…栗山千明さんとかが素敵だと思います。デート? いやいや、1週間のうち休みは1日しかないですから。それ以外はバイトと練習をやっていて、休みの日は仲のいい友達とご飯に行くぐらい。ほかは本当に何もしません。洋服とかにも興味ないし、格闘技中心ですから」
改めて今度の試合について決意を語る。
「相手の菅原選手は、格上ですし、本当に強い人。どれだけ殴っても倒れないし、打たれ強いゾンビみたいな人です。完全に仕留めるか、心を折るしかない。だからこそ、どんどん前に出て攻めていって、最終的にはKOで勝ちたい。多分、その日一番盛り上がる試合になるので、自分の熱い試合をたくさんの人に見に来てほしいですね」