「見ないと人生損をする、そんな作品です」佐藤二朗
口だけ達者な40歳の中年ニート・二郎と相棒のマメシバ・一郎の脱力系癒しドラマ「マメシバ」シリーズの最新作が公開決定! その「幼獣マメシバ 望郷篇」では、引きこもりニートとマメシバが、狭い世界を飛び出し旅に出る。
「今回は二郎が自発的に外に出るというのが、これまでの3作と変わったところですね。1作目から4作目までの6年間で、僕自身としての一番の変化は子どもを持ったことで、それって他者の命に対する責任を負ってみようと思えた自分自身の変化なんです。二郎もそれにちょっと似ていて、4作目でも相変わらず人に巻き込まれているんですが、今回は自分から巻き込まれに行っている。人嫌いで引きこもりの彼にとってそれ大きな成長で、僕自身の変化とちょっと似ているかもって思います」
作品の鍵を握るマメシバの演技は?
「最初の作品では、犬が思うように動いてくれりゃいいのに…みたいなことを思いながら芝居をしていました。でも今回は逆に犬の不確定要素を利用して、それ楽しむように芝居をしたほうがいいだろうと。本当ならセリフがあるところで、寝転がっている僕の股間に犬が顔をうずめたり、足の指をなめたりしている(笑)。その時にセリフの間で犬にリアクションを返してセリフに戻るなど、犬を自由にさせて演技を続けたので、すごく自然にできましたね」
一歩外に踏み出した二郎とマメシバ。今回の旅で2人(?)はどう変わるのか。「これまでは、緩くて、動物が出てきてかわいい脱力系の作品ですって説明していたんですけど、今回は見ないと損です!と言い切ります。もちろん犬が出てきてかわいいけど、決して脱力系じゃない。口では頑張るなんてナンセンスって言っている二郎が、ほんの少し成長するために、歯を食いしばって、必死になって成長していく。これは一人の人間の成長の闘いの話なんです。なので、このシリーズを見ずに人生を終える人は不運、悲劇です。そういう人を一人でも減らしたいので、ぜひご覧下さい!」