Krush王者対決は武尊がKO勝ち
今大会の主役の座こそトーナメントに譲ったが、スーパーファイトにも豪華なカードが並んだ。
中でも注目はKrush −55kg級王者・大雅とKrush −58kg級王者・武尊の一戦。
Krushの王者同士、ともに次代を背負う存在とあって、カード発表時の会見から「(武尊の)パンチは自分には当たらない」(大雅)、「当てます」(武尊)と火花を散らした。
今回のK−1の復活は多くの選手に新たな目標と夢を与えた。そんな選手たちのなかでも、人一倍K−1への熱い思いを持つ武尊はロープをまたぐとき一度動きを止め会場をゆっくり見回してからのリングイン。
ゴング前からともにはやる気持ちを隠せない2人。1Rは大雅が細かいステップワークからパンチを繰り出し主導権を握る。武尊は終盤手数を出すものの、思うような攻撃を繰り出せない。2Rにも大雅が飛び込んでの右フックをヒットさせる。ステップワークで距離をとって、武尊を呼び込んでおいて一瞬の踏み込みでパンチを当てる大雅。この距離がどうにも戦いにくい武尊だったが、コーナーに追い込みパンチの連打、ボディーへのヒザで徐々に盛り返していく。そして迎えた3R。武尊は開始早々、前蹴りからいきなりの右バックハンドブロー。もろに食らった大雅は立ち上がれず、3R13秒、KOで武尊が王者対決を制した。
武尊は試合後のマイクで「小さいころK−1を見て格闘技を始めようと思った。K−1があったからずっと頑張ってこられた。高校を3カ月で退学になって、何をしていいか分からなくなった時も、K−1を見ていたから格闘技は続けようと思った。そしてK−1甲子園に出ようと思って高校に入った。ホントにK−1には助けてもらった。このリングに上がるのが目標だったので、立てて良かった」と挨拶。そして「55kgでもトーナメントをやると思うんで、その時は僕を出してください。優勝して世界一になります」と“次”を見据え、アピールした。
セミで行われた−70kg級のスーパーファイトでは山本優弥とイギリスのケリス・ベラが対戦。手数の多いベラに対し、山本はなかなかエンジンがかからない。3R終盤、バックハンドブローでぐらつかせたものの、時すでに遅し。判定でベラが勝利を収めた。
7月に準決勝まで行われた「K−1甲子園」の決勝では佐野天馬と平本蓮が対戦した。平本が佐野をコーナーに詰めパンチの連打でダウンを奪う。1Rマッチとあって後がない佐野は果敢に前へ出るが、終盤、右ハイキックを放ったところに平本がカウンターのフックを合わせ、2度目のダウンを奪い判定勝ちした。