「サムライ・ロック・オーケストラ」が中野で凱旋公演
「筋肉番付」「スポーツマンNo.1決定戦」「SASUKE」といったテレビ番組で名を馳せ、「マッスルミュージカル」で活躍した池谷直樹が2012年に音楽プロデューサーのD・A・Iと立ち上げた「サムライ・ロック・オーケストラ」(SRO)が12月13、14日に東京・中野のなかのZERO 大ホールで凱旋公演『WORLD〜黒の王の力〜サードセッション X’mas Ver.』を上演する。そこで今回は選りすぐりのイケメンパフォーマー4人にその見どころについて聞いてみた。
音楽と筋肉…これだけ聞くとなんのことやら、と思う人も多いだろう。まず『サムライ・ロック・オーケストラ』ってどんなもの?
「2011年にマッスルミュージカルが終わってしまったんですが、今代表を務めている池谷直樹の“今まで一緒にやってきたトップアスリートの次のステージ、活躍する場を設けたい” “マッスルミュージカルを越えた舞台を立ち上げたい”という思いから生まれたのがサムライ・ロック・オーケストラなんです。マッスルミュージカルと違うところは、生演奏を取り入れているところ。ロックバイオリンという新しいジャンルのロックバンドであるSword of the Far Eastというバンドがあるんですが、そこでバイオリンを弾いているAYASAという女性ミュージシャンを中心としたバンドチームの生演奏の中で、僕らパフォーマンスチームが人間技とは思えないようなアクロバットパフォーマンスを披露するという舞台になっています」というのは体操出身で「サーカスアクロ」の川原拓也。
「やはり生演奏だと気持ちの入り方が全然違います。舞台に立っているだけで鼓動に響くというか、そういうところが全然違うので、やっている僕たちもテンションが上がりますね」というのは男子新体操出身の菊池正根だ。ラートの山城秀彬も「パワーがもらえるよね。こう、押し出してくれる感じで」とうなずく。
川原「例えば難しい技を繰り出すクライマックスシーンがあるんですが、そこでもし失敗しちゃったときでもバンドチームが音をつないでくれて、盛り上げてくれてもう一度挑戦できる雰囲気を作ってくれるんです」
じゃあマッスルミュージカルの時は失敗したときは…。
川原「曲が終わっちゃってシーンとした中でやったりとか」
山城「尻すぼみになることもあったんですが、今はそういうことがないんです」
いろいろな面で進化しているサムライ・ロック・オーケストラ。1回見たら病みつきになる。リピーターが多そうだ。ではまだ見たことのない人に、“ここは見ておいたほうがいいぜ”といったサムライの魅力を尋ねると川原は「人間はどこまで肉体を使って表現できるのかっていう、人間の可能性ですね。みんな人間離れした動きをする人たちばかりなので、ある種のファンタジーです。特別な世界に入りこめると思いますよ」と言う。
ちょっと変わった角度から「SROの魅力はお得感」というのはバトントワーリングの渡辺翔史。「バトンの大会や男子の新体操なんかもよっぽど興味のある人じゃないと、わざわざ大会を見に行ったりはしないじゃないですか。でもこの舞台だったら、各ジャンルのスペシャリストたちが生で演じているところが見られるし、何種目もやってますから」と言う。
一方、菊池が「僕が思うにはもう…美男美女が…」と言うと一同が爆笑。しかし菊池の言うのももっともで、ウェブサイトを眺めると確かにイケメンと美人揃い。オーディションでもそこは大事な部分だったのだろう。山城曰く「菊池はそれで採用されたようなもんだよね(笑)」とのこと。
その山城は「ほかの舞台との差別化っていうことを考えると、お芝居とかサーカスとかではなく、各スポーツのトップの選手たちがひとつの作品を作っていること。あと音楽もD・A・Iという日本を代表するような作曲家がいる。それでいてセリフも歌もないんですけれども、小さい子が見てもハラハラドキドキするような、応援してくれるようなシーンがあったり、最初から最後までしっかり物語があって分かるようになっている。“知らないと損だよ”と言えるだけのものは出来上がっていると思います」とSROの魅力を取りまとめた。
どのジャンルも根本的には競技と舞台ではやることや目標が異なる。
川原「体操ではロンダートとかバク転って地面でしかできないじゃないですか。僕はそれをアレンジして椅子を積み重ねてお客さんに分かるような高所で倒立をやったり、体操選手ではやらない片手での倒立をやったりします。より分かりやすく伝えたいと思っています」
ふだんでは見られないものがここでは見ることができるということ?
川原「僕が一番に思っているのは、体操競技の選手とかが舞台を見たときに、体操の技をやってもあまりパッとこないんですよ。でも僕がやっているような珍しい技とか、できないだろうっていう技をやることによって体操のオリンピック選手ですらびっくりする、それを目標にやっています」
アスリートによる驚愕のパフォーマンスとロックバイオリンによる台詞のない新感覚のアクロバットミュージカル。よそでは見られないオンリーワンの作品のようだ。
【日時】12月13日(土)〜14日(日)(開演は土19時、日14時。開場は開演30分前)
【会場】なかのZERO大ホール(中野)
【料金】全席指定 SS席9500円/S席6800円/S席(こども)5800円/A席 5800円
【問い合わせ】SRO運営事務局(TEL:03-5738-5438=平日11〜17時 [HP]http://samurai-rock-orchestra.com/)【総合演出】池谷直樹
【音楽プロデュース】 D・A・I
【出演】 サムライ・ロック・オーケストラ/池谷直樹/AYASA(Sword of the Far East)ほか