主宰・菜月チョビ帰国で劇団鹿殺しが待望の復活公演
文化庁の新進芸術家派遣制度でカナダに派遣されていた劇団鹿殺しの主宰で演出家を務める菜月チョビが今年10月に帰国した。菜月不在の間、鹿殺しでは本公演をお休みし、作家の丸尾丸一郎によるプロデュース公演を行ってきた。そして来年1月に復活公演『ランドスライドワールド』を上演する。
「2009年に上演した『ベルゼブブ兄弟』という作品を原案にした作品です。過去の作品を原案にする場合、その間の劇団の成長でより面白い作品に仕上がるはずだし、今回は1年間私ばかりではなくみんなが特殊な環境に置かれたことで大きく成長したと思うんです。スタイルが大きく変わるということはないと思うんですが、見え方が大きく変わると思います。そして自分たちらしさがより増しているのではないかと思います。始めたころに戻ったというか」
これまでは舞台上では主役を張ってきた菜月だが、今回は演出に専念する。
「演出に力を入れて、というよりは、新しい試みをしてみたかった。劇団を1年間休むというのは大決断。せっかく変わったことを1年間やり続けてきたので、いつもだったらできない冒険でこの1年を締めくくって、それから次のステップに行きたいなって思ったんです。劇団としてはこの公演までが充電というか、次に向かうまでの1年間でしたので」
今までずっと密な関係の中で走り続けてきた劇団だけに、1年という時間は他の人たちの1年よりもっともっと大きな意味を持つ時間だったようだ。
「私の場合はカナダに行って、なぜ続けていられるのかという原動力の再確認ができたことが大きかった。丸さんは本公演というプレッシャーから解き放たれていたことで、今絶好調です。劇団員同士も新鮮な気持ちで出会い直している感じ。もちろん私も」
さまざまな“新味”が散りばめられた公演となるようだ。
【日時】1月11日(日)〜25日(日)【会場】本多劇場(下北沢)【問い合わせ】オフィス鹿(TEL:03-6804-0064 [HP]http://shika564.com/)