五輪連覇 斉藤仁氏死去
柔道男子95キロ超級の1984年ロサンゼルス五輪、88年ソウル五輪の金メダリストで全日本柔道連盟強化委員長の斉藤仁氏が20日、がん性胸膜炎のため、大阪府東大阪市内の病院で死去した。54歳だった。
斉藤氏は日本柔道界初の五輪連覇を果たしたが、203連勝を記録した山下泰裕氏とは8度対戦して一度も勝てなかった。日本男子監督として鈴木桂治(2004年アテネ五輪金)らを育て、12年11月に全柔連強化委員長に就任。翌13年に発覚した女子日本代表の指導陣による暴力、パワーハラスメント問題では強化現場の立て直しに奔走した。
現役時代、斉藤氏の最大のライバルだった全柔連副会長の山下氏は同日、東京都文京区の講道館で報道陣の取材に応じ、「いろいろなゴタゴタ(不祥事)があり、力を合わせて信頼を失った日本柔道を再建しようとやってきた矢先だった。残念です」と無念そうに語った。