2019年ラグビーW杯 日本大会の開催地決定
ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会の試合会場が2日夜、発表され、立候補した15の自治体から札幌市や埼玉県・熊谷市、東京都、大阪府・東大阪市など12会場の開催地が決定した。仙台市と京都市、長崎県の3会場は落選した。開催地に選ばれた岩手県釜石市はラグビーとゆかりが深く、W杯開催にあたって新設のスタジアムが必要になるが、東日本大震災からの「復興の象徴」として位置づけられそうだ。
アジア初開催となる19年大会は9回目で、初めて欧州や南半球の伝統国・地域外での開催。11年大会招致でニュージーランドに敗れた日本は2度目の挑戦で招致に成功した。
日本大会には全20チームが出場。1次リーグを勝ち上がった8チームが決勝トーナメントを戦う。開幕戦と決勝は、20年東京五輪のメーンスタジアムとなる新国立競技場(19年完成予定)で行う方針が決まっている。
出そろった12会場をみると地域バランスのほか、各地の「ラグビー熱」が大きく考慮された点が目につく。全国高校選抜大会の開かれている熊谷市、全国高校大会の舞台となっている東大阪市は、それぞれ近隣エリアに立候補地が複数あったにもかかわらず、開催地に選出された。
東北ではスタジアムの収容人数や交通アクセスなどで優位だったはずの仙台市が落選し、釜石市が選出された。東日本大震災で津波の被害を受けた学校跡地に建設される釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアム(仮称)の収容人数は1万6187人ともっとも少ないが、かつての強豪、新日鉄釜石の拠点としてラグビー人気が根強い点をW杯組織委が考慮して強く推した可能性が高い。