今週の”人” 大塚家の人々 父・勝久会長vs娘・久美子社長

 現在、創業者で父の大塚勝久会長と、長女の久美子社長が経営権をめぐって“骨肉の争い”を繰り広げている大塚家具。2月25日には勝久氏が都内で記者会見し、久美子氏の解任などを求めた自身の株主提案について説明、自らが社長に復帰する正当性を主張した。また久美子氏が大塚家具の大株主である資産管理会社の株式を違法に支配としたとして、同日、株式の返還を求める民事訴訟を東京地裁へ起こしたことも明らかにした。

 勝久氏は、株主提案は執行役員や本社の管理職の多くが賛同しており、「社員の総意と信じている」と強調。社長在任中に会社の業績を悪化させている久美子氏は、経営トップとして不適格だと批判した。さらに「最初に久美子氏を社長に選んだことが間違いだった。悪い子供をつくった。残念だ」とまで述べた。

 一方、久美子社長は26日、東京都内で会見し、「3月27日の株主総会で結論が出る」と述べ、一連の騒動の決着をつけるため委任状争奪戦に入る考えを明らかにした。久美子氏は、昨年7月に勝久氏が社長に復帰して以降、広告宣伝費が膨らみ「半年で2度も業績の下方修正をしている」として、勝久氏は経営者として不適格だとの考えを示した。また、25日の勝久氏の会見で、複数の部長級幹部が同席したことに対し「演出に社員を巻き込んで申し訳ない」と述べた。

 現在、同社の株は勝久会長が約18%、同社の資産管理団体が約10%を保有し、約10%を持つ米投資ファンドは久美子社長を支持しているとみられる。今後は保険会社など他の大株主の動向が総会の行方を大きく左右する。