MAGNUM 37 江幡がWタイトル戦で判定負け 勝次は日本タイトル獲得
新日本キックボクシングの「MAGNUM 37」が15日、東京・後楽園ホールで開催された。
メーンではラジャナムダンスタジアム認定バンタム級王者のフォンペート・チューワッタナとWKBA世界バンタム級王者の江幡睦によるダブルタイトルマッチが行われ、5Rを戦い3-0の判定でフォンペートが勝利を収め、2本のベルトを手中にした。
2人はこれが4度目の対戦。過去3回のうち、ノンタイトル戦で江幡が2勝しているものの、一昨年の「ラジャナムダンスタジアム認定バンタム級王者決定戦」ではフォンペートが勝利を飾っている。
江幡は1Rから右ローキック、左のインローにボディーへのフックで積極的に前へ出る。対するフォンペートは右のミドルキックで応戦し、距離が詰まれば首相撲からのヒザの連打で江幡に主導権を渡さない。2R以降は江幡はボディーフックを中心に攻撃を組み立てることになるのだが、フォンペートミドルキック、前蹴りで距離を取り、江幡に連打を許さない。業を煮やした江幡が距離を詰めると首相撲にとらえ、ヒザを打ち込んではポイントを奪っていく。
ままならない展開にインターバル中、伊原会長から「もっと蹴りを使って」とゲキが飛ぶ。「会長、大丈夫です」とこたえる江幡だったが、やはりなかなか蹴りを繰り出すことはできず、いたずらに時間だけが進んでいった。最終の5Rこそ、パンチの連打であわやの場面を作ったが、ここでも組み付かれ、攻撃を寸断され、KOするまでには至らなかった。
セミの第11試合では「日本ライト級王座決定戦」で勝次と永澤サムエル聖光が対戦。3R1分56秒、タオル投入によるTKOで勝次が勝利を収め王座に就いた。
1Rからローキックで前に出る永澤に勝次は左右のフックにミドルキックでペースを奪う。2Rも多彩な蹴りで永澤を翻弄。終盤の打ち合いでは勝次の左フックがクリーンヒットし、ダウンを奪う。3Rにはコーナーに追い込み、強烈な右ストレートを打ち抜くと永澤はばたりと倒れ、セコンドがタオルを投入した。
昨年12月の「BLADE」のトーナメントでは準決勝で優勝した小宮山工介を後一歩まで追い込んだ実力者でありながら、なかなかこのベルトは巻けないでいた勝次。試合後「夢に見た新日本キックのライト級のベルトをやっと巻けました。夢はかなったんですけど、目指しているところがもっと上にあるんで、僕もラジャダムナンのベルトを目指しているので、海外でもやれるような選手になりたいです」と今後の目標を口にした。
第10試合では日本ミドル級王者の喜多村誠がタイのペットーン・キャリーボーイと対戦。「ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級ランキングマッチ」として行われたこの試合。喜多村は1Rからペットーンをロープ際に追い込み、左右のローキック、右ストレート、左フックと攻め続ける。ディフェンシブなペットーンを捕まえきれずフルラウンドの戦いになったものの、圧倒的な判定で勝利を収めた。