長編映画初主演『新選組オブ・ザ・デッド』でサムライゾンビを熱演 日村勇紀(バナナマン)

バナナマンの日村勇紀主演のゾンビ時代劇『新選組オブ・ザ・デッド』が公開。幕末、突如として現れたゾンビと新選組が京都の町で壮絶バトルを繰り広げる。長編映画初主演でゾンビに転生する新選組隊士を演じた日村が意気込みと野望(?)を語る。

 日村演じる架空の新選組隊士“屑山下衆太郎(くずやまげすたろう)”はある日、アメリカからきたゾンビに噛まれ日本初の“サムライゾンビ”となり、ゾンビ感染を撒き散らす。新選組とゾンビという異色のコラボはどのように生まれたのか?

「渡辺(一志)監督とは7〜8年前に監督の映画に出演して以来だったんですが、そもそも監督が新選組とゾンビが好きで、だったら両方混ぜちゃえって思って作ったらしいです(笑)。それで主演を誰にしようかなと考えたときに僕が浮かんだと。そこから僕に当てて脚本も書いて下さったということで、非常にやりやすかったです。役作りも特にしていませんし、監督からはフリーにやって下さいと言われていたので、そのままの自分でやれた感じです。それにしても、ゾンビになる前の新選組隊士の役名が“屑山下衆太郎”って(笑)。最初に聞いた時は思わず笑っちゃいました。主演でその名前って。でも逆に主演じゃないとそのぐらいの名前はないし、これが意外とインパクトがあるので覚えてもらえるんです。長編映画初主演がゾンビ映画っていうとウケるし、新選組の役っていってもウケるし、おまけに役名が屑山下衆太郎っていうとまあ、ウケる。ですから今はいい名前だと思っていますよ(笑)。屑山でも下衆太郎でも、どっちかに引っかかっていただければ、しめた!です」

 日村をイメージして作られているだけあって、ゾンビになる過程や、なった後もあまり違和感がない。

「実はね、僕ゾンビ体験といいますか、ゾンビ歴があるので慣れているといえば慣れているんです(笑)。また、今回は頭から順番に撮影させていただいたので、すんなりゾンビになれました。ゾンビに噛まれてから、ちょっとずつゾンビになっていくんですけど、数カット撮影したら、ゾンビメイクを足して、また数カット撮影したらさらに足していって、最後にゾンビが完成するという。ただ、自分の中ではゾンビってやせてるイメージがあるので僕みたいなデブのゾンビってどうかなって思ったんですけど、最終的にはまあ、ありかなって(笑)」
 映画初主演というプレッシャーはあまり感じられない。

「まあ、主役っていうほどの働きをしていないのでね(笑)。実際撮影したのが去年の春で、3日間で撮りましたから。だからだいぶ前の感覚なんです。ですから、いよいよ公開されるんだっていう今ごろになってワクワクと不安をちょっと感じるようになりました」

 ゾンビ役を楽しんでいるようにも感じるが、意外にも見るのは苦手とか。

「ホラーはあまり見ませんね。だってああいうのって、脅かすじゃないですか。急にカット変えて大きな音出したり。あれがすごく苦手で嫌なんです。ただゾンビが出ているだけならいいけど、どうせ脅かすんだもん(笑)。でもこの映画は大丈夫です。そういう意味では脅かしはないので、全然怖くないです(笑)。ホラー映画と見せかけて、何も怖くないのと、新選組っていう割に、新選組要素もそこまでない(笑)。だから新選組とゾンビが混じった新ジャンルという感じですかね。それに普段やっているコントやバラエティーにも似たところがあったので、楽しめたのかも。いわゆるしつこいから面白いみたいな(笑)。なんかずーっと同じことをただ言っているなとか。それと、ゾンビに噛まれると、その人もゾンビになって、街中に感染するって聞いていたので、もうちょっとシリアスというか、じわじわとした恐怖が広がるのかなと思ったら、全然違っていた。噛まれる時も重たく“うわーっ、や〜ら〜れ〜た〜”ってやるのかなって思っていたら、“ちょっと、ちょっと。そこ痛い、痛い、痛い”って言って下さいって言われた時に、監督の意図が分かり ました。なるほど、そういうことかと(笑)。笑わす映画、つまりこれはゾンビ映画だけど、コメディーなんだと。そのシーンをやったことでこの映画のテイストが分かりましたし、自分の中でもトーンが作られました。また僕も新選組のところはがっちり芝居をしていますから、業界関係の方に見てもらって、意外とこいつ演技力あるじゃんって思われて、シリーズ化とか世界進出ができれば(笑)。ただね、主演といっても僕はあまり出てこないんですよ。映画の中で3分の2がゾンビなので。ですからゾンビになる前が自分なりに一番はったりをかまして演技をしているので、そこを見逃さないでいただければ。まだ人間でいるうちの屑山下衆太郎をぜひ、お見逃しなく(笑)。びっくりするぐらい新選組隊士としての出演時間が少ないので、そこを見逃されると困るんです。遅れたら終わりです。すぐにゾンビになりますから、僕(笑)。そこがこの映画の一番のサプライズかも知れない。ほかの共演者の方がガンガンでているのに、主演があまり出ていない(笑)。ですが、スクリーンの外でも屑山の存在感はビシビシ感じられますので、“日村、あんまり出てないじゃん”って、そこは言いっこなしにして下さい(笑)」
(本紙・水野陽子)

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『新選組オブ・ザ・デッド』
4月11日全国ロードショー


日村演じる架空の新選組隊士屑山は、ゾンビに噛まれ、日本初の“サムライゾンビ”に転生。パニックに陥る京都の町で、禁断のバトルを勝ち得るのはゾンビか、それとも新選組か!? 夢のバトルロワイアルが今、始まる!
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