格闘家イケメンファイル Vol.21 俺も、俺の筋肉も貴女を裏切らない 大尊伸光(たいそんのぶみつ)
昨年行われた修斗の環太平洋ウェルター級チャンピオンシップで王者に挑戦し、見事KO勝利を収め第7代王座になった修斗きっての肉体美(?)を誇る大尊伸光。チャンピオンになって、運気がアップ!?
「もう、おばあちゃんが喜んでくれて(笑)。道場のみんなはもちろん、親戚や職場の人もすごく喜んでくれましたが、おばあちゃんが喜んでくれたのがすごくうれしかった。生きてて良かったと思いました(笑)。おばあちゃんとは一緒に住んでいるんですけど、今ではすっかり僕のマネジャーみたいになって、あちこちで孫自慢をしてくれる(笑)。おばあちゃんの行きつけのカラオケバーに連れて行かれたり、人に見せるために僕のDVDを何枚も持っていてくれたり。おばあちゃんが自慢できる孫になれたのが一番うれしかったです。あとは…彼女ができたことかな(笑)。僕が対戦した選手は背も高く、イケメンで、おまけにすごく美人な奥さんと結婚されまして…。背が高くなるのとイケメンになるのは無理だけど、ベルトを巻けば何か一つだけでも手に入れられるのではと思い頑張りました(笑)」
もともと体格が良かったという大尊。トントン拍子にプロになったのかと思いきや…。
「小学校5年生の時から空手をやって、中学2年生の夏休みから顧問の先生に頼まれて、レスリング部に入りました。その後友達の誘いで総合格闘技のジムに連れていかれたんですけど、レスリングをやっていたおかげで初日から結構みんなを倒せたので、やっぱり俺強いなって(笑)。その時ですね、自分が頑張ったらどこまでいけるのか試したくなった。その後、アマチュア修斗の試合で初めて負けてから、仕事も辞めてアルバイトをしながら、格闘技をメインに生活するようになりました。でも、そこから1回遊びを覚えてしまいまして、試合から遠のいてしまっていたんです。そしたら母親から今年中にプロにならなかったらやめなさいと言われて。それから気持ちを入れ替えて練習したおかげで、アマチュア修斗の全日本大会で優勝し、2010年にプロ昇格しました」
やっとデビューしたものの、デビュー戦は苦い思い出とか。
「ものすごつまらない試合をしてしまって…。寝技が得意な相手と、パンチが得意な自分がお互いを牽制しすぎて、ずっとお見合いをしていた。一応勝ちましたが、ぶっちゃけどちらも負けでいいような試合だった。見に来てくれた友達には入場が一番良かったよって言われて、それが皮肉にしか聞こえなかったし本当に辛かった。それからは、プロとしてお客さんに魅せる試合をしなければと思い、自分らしく常にKOを狙ってガンガンいくようになりました」
自分のスタイルを決定づけたデビュー戦だが、ほかにも印象深い試合があるという。
「2012年10月にやった下石(康太)選手との試合です。もう、初めてコテンパンにやられました。それまでの負けるパターンは、自分の集中力が切れて、関節をとられてしまうというものだったんですが、下石選手には完膚なきまでに叩きのめされた。今までの中で一番凹みましたし、絶望もしました。でもそのおかげで筋トレじゃなくて、特に寝技の練習に力を入れました。今では寝技に対して苦手意識がないどころか、逆に自信があります。ですから、僕を成長させてくれたという意味では下石選手に感謝しています」
4月18日はいよいよ初防衛戦だ。
「多分自分がビビらなきゃ、絶対に面白い試合になると思います。対戦相手の松本(光史)選手はここ最近実力が上がってきてすごく強い選手ですが、ここで勝たないと世界王者の弘中(邦佳)さんに挑戦できないので、足元をすくわれないようにしっかりKOで勝ちます。ゆくゆくは世界も視野に入れていますが、とにかく今は目の前の松本選手との試合に集中するだけです。もちろんKOで勝つ。ファンの皆さんに喜んでもらう事、そして彼女にプレゼントを買うためにもKOで。自分のためにはもちろんですが、やっぱり誰かのために戦うほうがカッコいいでしょ(笑)」
1998年3月19日生まれ、千葉県出身。2010年9月「第17回 全日本アマチュア修斗選手権ミドル級」優勝。2011年2月、プロデビュー。2013年12月「修斗 インフィニティトーナメント」優勝。2014年3月「修斗環太平洋ウェルター級チャンピオンシップ」で佐々木信治に勝利し第7代王者に。総合格闘技津田沼道場所属。4.18プロ修斗新宿FACE大会にて初防衛戦。大会情報(http://www.x-shooto.jp/)。