「4・19 K-1」野杁が「ゲーオのハイキックは僕には当たらない」
「K-1 WORLD GP 2015 in JAPAN~-55kg初代王座決定トーナメント~」(4月19日、東京・国立代々木競技場第二体育館)のスーパーファイトで対戦するゲーオ・フェアテックスと野杁正明が23日、都内で会見した。
ゲーオは昨年行われた「-65kg初代王座決定トーナメント」で山崎秀晃、久保優太、左右田泰臣という実力者3人を破って王座に輝いた。今年1月に木村“フィリップ”ミノルに判定で敗れたものの、K-1-65kgでは№1の存在。野杁は昨年12月にKrush復帰以来、2連勝。2月の「Krush.51」では-65kgトーナメントのリザーブファイトで勝利したイリアス・ブライドに判定ながら圧勝。試合後、ゲーオとの対戦をアピールし、実現にこぎつけていた。
この日の会見では対戦に向け、両者の意気込みなどが語られたのだが、ひとつアクシデントが…。
ゲーオは前日の22日、東京・ディファ有明で開催された「WPMF JAPAN × REBELS合同興行」に出場。メーンでWBCムエタイ日本ウェルター級王者の健太とムエタイルールで対戦し、勝利を収めたものの、健太のヒジで額をカット。8針を縫うケガを負ってしまった。
会見では、前田憲作K-1プロデューサーが「ムエタイではよくあること。ゲーオ選手とドクターで話をして大丈夫とのことなので、しっかりケアして試合に臨んでほしい」と説明。ただ「僕としては4月にK-1が決まっていたので、もう少しK-1を大切に考えてほしかった」と苦言を呈した。
とはいっても、前田プロデューサーが「ゲーオが見えないハイキックとボクシングテクニックで圧倒的な強さを見せるのか。野杁が見えない飛び膝で挑むのか。両者の高い技術の攻防に期待したい」と解説するこの一戦の注目度は変わらない。
野杁は「昨日の試合、お疲れ様でした。無傷で勝ってもらうのが僕の願いだったんですが、とりあえず傷を早く治して、4月の試合には万全の状態で臨んでほしい」としたうえで、試合に関しては「ゲーオ選手のハイキックは僕には当たらない。しっかり磨きをかけて、見えない膝蹴りでKOしたい」と語る。
一方ゲーオも“パンチも膝も当てさせなければいいんだろう?”と言わんばかりに「野杁選手の膝蹴りは残念ながら僕には絶対に当たらない。でも僕のパンチは当たる。パンチとハイキックに注意してください」と話す。
互いの印象については「距離感も抜群で勘もいい。本当にうまい選手。他の選手に聞いても“強くてうまい”という言葉しか出てこない。穴の少ない選手」(野杁)、「テクニシャンでうまくて強い選手」(ゲーオ)とともに高く評価するだけに「これぞK-1」という戦いが期待できそうだ。
しかし野杁にとっては、ここで負けてしまえば今度はいつチャンスが回って来るかは分からない。ゲーオにしてみれば、木村戦に続いて連敗を喫してしまえば、王者の威厳も地に落ちてしまうだけに、今回ばかりは負けは許されない。そして今大会では左右田vs久保、HIROYA vs 木村という-65kgの注目のカードが揃っただけに、結果によっては勢力図が一気に塗り替えられることもある。ゲーオ、野杁に限らず、生き残りをかけたサバイバルな戦いが繰り広げられそうだ。