大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第35回 半チャーハンは愛情のないキスみたいなもの。
14日放送の番組のなかで、「半チャーハンは愛情のないキスみたいなもの」っていう話をしたら、たくさんご意見をいただきました。僕に同意してくれる人、ラーメンを食べたあとに一口二口チャーハンが食べたいんだよねっていう肯定派と、いろいろな方から反応があって、面白かったなあ。でもやっぱり、僕は言いたい。半チャーハンは愛のないキス、いやセックスみたいなものだって。
ラーメンと半チャーハン、半ラーメンと半チャーハンって、単品として出しているチャーハン、ラーメンとは別ものになっている場合がかなりあるんじゃないかなって思うんです。半チャーハンは半チャーハン用に作り置きしてあったりする場合もあるし、ラーメンの半っていうのもね。番組でも話したけど、本来出しているものの半分でそのお店を味わっちゃえみたいなところも、ねえ……。ミニかつ丼とかそういうのもそうです。なんかなあ、嫌いなんですよね。
そのなかで、唯一、僕が好きなのが、神保町のさぶちゃんの「半チャンラーメン」です。元祖といわれるところなんだけど、ここはラーメンとのバランスを考えたうえで、その半チャーハンを作ってるんです。「ラーメン」と「チャーハン」のセットじゃなくて、「半チャンラーメン」という単品なんですよ。
ラーメン店もちろん、食事を提供しているお店は、単品として出すサイズで、一番おいしく感じられるように考えて味を作っていると思います。それを半分にするって……違うんじゃないかなあ。やっぱり、一番おいしいとされる形で食べたいじゃないですか。
単品のサイズの話ついでに、番組ではいいきれなかった「取り分け」問題です。複数で食事に行って注文したものが届くと、ささっと取り分けてくれる方がいらっしゃいますね。それ、僕はいりません。僕がサラダを頼んだとしましょう。そのサラダ、僕はフルサイズで食べたいから頼んでるんです。取り分けられたらもうそれは別のサラダになってしまう。他の方がサラダを食べたいのなら、取り分け用にもう1つ頼めばいいと思うんです。焼き肉でも同じです。よくどんどん肉を焼いて、焼けた肉を僕のたれの皿にポンと置いてくれる人がいる。もちろん肉は食べたいですよ、でもまずは柚子胡椒で食べようと思ってた! そんなこと、あるでしょう?
「取り分け」ってさ、気がきいてるだとか心遣いができてるみたいに言われたりするし、男性の女性に取り分けてもらうとうれしいなんて意見があったりするし、もはや同調圧力以外の何ものでもない。みんなで食べに行ったとしても食べたいものを自分が思うように食べたい時もある、それを僕は伝えていきたい。取り分けてるときには、一言、声をかけよう。それを広めていきたいって思いますね。だから僕が食べに行ったお店の方、サラダを2皿頼んでも、聞き返さないでください。こういうことなんで。