今年は2日やります「YATSUI FESTIVAL! 2015」

主催:やついいちろう × 出演:峯田和伸(銀杏BOYZ)

エレキコミックのやついいちろうが主催する、音楽・お笑い・アイドル・文化人を交えた総合エンターテインメントフェス「YATSUI FESTIVAL! 2015」が今年は6月20日、21日の2日間にわたって行われる。この時期の東京・渋谷の名物イベントとしてすっかり定着した感のあるこのフェスの見どころを語ってもらうべく、やついと21日に出演する銀杏BOYZの峯田和伸に集まってもらった。

やつい「峯田君には告白するみたいにオファーしました」
峯田「メールで頼まれたら断っていたかもしれない(笑)」

IMG_2681.jpg 公私ともに仲のいいやついと峯田は互いのイベント、番組などにゲスト出演しあうような仲。そもそも出会いのきっかけは?

やつい「僕が会いに行ったのが最初です。だよね? 長野で入院しているとき」
峯田「あ、そうですね。2005年ですね」
や「いろんなバンドが出ていたライブがあって、そこで銀杏BOYZのライブを見たんですが、その時に衝撃を受けました。最初に出てきた瞬間に爆笑したんです。全速力でみんなが出てきて、全然滑るところじゃないのに、スライディングとかして “うわーっ”とか叫んでる。バカなのかと思いましたよ(笑)。“バカみたいな人が現れた!”と思って爆笑したんです。それで興味を持って見ていたら、最終的にすごく感動して涙が出てきた。“なんだこの喜怒哀楽”といった印象があって、これは会ってみたいと思ったんです。その後、自分たちの本を出すことになった時に、誰でも好きな人と対談をさせてくれるというので、“じゃあ峯田君がいいな”ということになったんです。そうしたら峯田君が銀杏BOYZのライブで、いつものようにというか、骨折して長野県の病院に入院していた。動けなくて1カ月くらい入院しているというから、“じゃあ会いに行こう”ということになったんです」

 峯田さんはそのときのことは?

峯「覚えています。やついさんのことはテレビでは知っていたんですけど…、すごく会いたい人でした。虎ノ門(2001年〜2008年に放送されていたテレビ朝日の深夜のバラエティー番組)なんかに出ていたじゃないですか。その時から面白い人だなって思っていました。音楽が好きだということも何かの記事で読んで知っていたので、どこかで会えたらいいなと思っていたんです。長野まで来てくれた時、ちゃんと話すのは初めてだったんですけど、すごく面白かったです」
や「骨が折れているのに、キャッチボールみたいなことしたよね」
峯「しましたね。まだ外出しちゃダメだったんですけど、病院長に無理やり“仕事だ! ちょっとだけ行ってくるわ”って言って、公園でキャッチボールしましたね」
や「あの時って、看護師さんでオ○ニーしてた話がバレちゃってブルーだったんでしょ」
峯「そうなんです。足を骨折したんですけど、ギプスで固定するじゃないですか。それを取る日、いつも喋る看護師さんと2人きりの時があって、“あっ2人きりなんだ”と思ったんです。昼間で、隣りにある小学校から生徒たちの遊んでいる声も聞こえている。そんな日だまりのなかで、のこぎりみたいなものでギプスを切るんです。ギプスがパカッと割れた時に看護師さんが“くさいね”って言ったんです。そのときに“このエロチシズムはなんだ”と思ったんですね」
や「(笑)」
峯「終わってから速攻で、いつもするヌキ場に行って…」
や「そういう名前じゃないけどね。本人が勝手に言ってるだけだけどね」
峯「トイレなんですけど…。会ったのはその次の日ですね」
や「それがバレちゃったって、本人が凹んでて」
峯「顔向けできなかったですね」
や「でもそれは自分でブログに書いちゃったから仕方ない。普通、看護師さんたちも“銀杏BOYZの峯田君だ” って分かるじゃないですか。でも本人にはそんなに有名なんだという自覚がないから、読まれていると思っていなかったんだって。そうしたら読まれていて…」
峯「朝、“おはようございまーす”って来てくれた時に、起きたら“読んだよ”って言われて、“うわ、もう俺、バンドなんて辞めよう”と思いましたよ」
や「その話を聞いて、これはいいな、同じマインドだと感じて仲良くなれると思いました(笑)。そして女の子のこととかセックスのこととか、そんなことしていない2人ですげえ強がった話をしていた記憶があるよね」
峯「もっとちゃんとした話をしましょうよ」

 その後、東京に戻って。

や「ライブを見に行ったり」
峯「僕もエレキコミックのライブに行きました」
や「そして共通の友達がいて、その友達も含めてみんな住んでいるところが近かったので、ライブの帰りに“俺らだけで軽く打ち上げしようか”ってご飯を食べたりということを重ねるうちにだんだんと仲良くなっていった」

 やついさんは芸人で音楽が好き、峯田さんはミュージシャンでお笑いが好き。違う職業だからこそ居心地がいいということもある?

や「それはあると思います。手放しで褒めることができますもん。やっぱり同業者だと肩の力を抜いて笑えないということもあるし、本業だから、そんなおいそれと認めるわけにはいかないというところもありますから。認めていながらも、口に出しては言いたくないという時もあります。まあそういう思いもだんだんなくなってはきているんですけどね。あとどこかテクニックの部分を見ちゃったりするので、“ああ、こうしてこうしてこうしたんだな”という見方になりがちなんで、純粋に笑ってはいられない。でも音楽に関してはずっとファンでいるから、素直にすげえなって言えるから楽だし、そういうところがうれしい」
峯「まるっきり同じです。最初に会った時、“高校の時にニルヴァーナを好きだった”という話を聞いて、“ああ一緒だ”と思いました。選んだ道はお笑いと音楽と違いますけど、あのときの音楽体験を共有できると思うと、ますます近い存在に感じられた。あの空気感を覚えているというか、暗かったじゃないですか、ニルヴァーナ」
や「暗かった」
峯「しかも多感なときに聴いているからこたえるんですよね。音楽ってもちろん娯楽ではあるんですが、あのへんの痛い感じというか、空気感を覚えている人だと話すのは楽ですよね」

 やついさんがこういうフェスを始めたということを聞いたときはどういう気持ちでした?

峯「芸人さんの中にも音楽の好きな方はたくさんいると思うんですけど、やついさんはイベントでDJもやっていますし、ホントに心から好きなんだなって思いました。そしてお笑いとは違うスイッチでやっているんだろうなっていうことも思っていました」

 今回はついに参加となりました。

峯「参加するみたいですね」
や「ありがとうございます」
峯「飲み屋で直接言われたから…」
や「(笑)」
峯「だから断れなくて」
や「(笑)」
峯「メールで来てたら断っていたかもしれない(笑)」
や「見事にいいタイミングではまったんでしょうね。それまではなかなか言わなかったですから。直々というか…そんな簡単には頼めないというか」
峯「いやいやいや、そんなことないです。でも一緒にちゃんと仕事したことってないですよね」
や「一歩手前のずうずうしさ、っていうか。ずうずうしいと丁寧のちょっとぎりぎりのところじゃないと嫌じゃないですか。なんかこう…、その部分の微妙な感じ。だから相当長いこと言えなかったですよ。言おうかなと思ったけど、やっぱやめよう、みたいなことが多々ありました」
峯「ふーん」
や「告白するみたいに言いましたから(笑)」
峯「(笑)」
や「“付き合ってください”みたいな感じでしたよ。そわそわして。“今日はやめよう”ってやめたりとか」
峯「そんな葛藤があったんだ」
や「ありましたよ。だって断られたくないじゃん。だからまずスケジュールを聞いて。そもそもダメなのに頼んでも失礼だから。でもスケジュールも分からないから、とりあえずは…。でも声をかけないのも変だと思うんですよ。ファンで仲がいい。それで、自分がやるときに一緒にやりたいなって思っているわけだから。その気持ちに対して、誘わないのも嫌じゃないかって。これが逆の立場だったらどう思う? 告白したほうがいいんじゃないか? みたいな(笑)」
峯「(笑)」
や「自分の中で“したほうがいいな。断られたらしょうがない。誘ってダメだったら、向こうの都合だからしょうがない”って意を決した感じ」

 峯田さんはどうして参加を躊躇したんですか?

峯「前は友達だからなおさらちょっと、という思いがあったんですよ。どうしようかなって。でも話を聞いたら楽しそうにやっているし。ちょっと出てみたいなって思いました」
や「ここ3年くらい、銀杏BOYZがライブ活動自体全然やってなかったですからね。だから頼んだとしても、やり方とか難しいだろうし、だから頼まなかったんです。最近やっている弾き語りを何度か見に行っているんですが、また第何期目かの充実期に来ているような雰囲気があったから」
峯「ふーん」
や「今お願いしたらやってくれるんじゃないかって(笑)」
峯「(笑)」
や「“歌うのが楽しい”って言ってたので“ああ、歌うのが楽しくなったんだな”って。もともと楽しかったのかもしれないですけど。“じゃあ今ならいいかもな”って思ったということもあります」

 峯田さんはどんなライブにしようかということは何か考えていますか?

峯「まだ特には考えていないんですが、今作っている新曲があって、それは歌いたいですね。この半年くらいずっと新曲作っているんです。去年出たアルバムの収録曲は、新曲といっても録りは終わっていてミックスに結構時間がかかっていたので、僕の中ではもう新しい曲ではないんです。なので、ここ2年くらいで作った新曲を歌いたいですね。今の自分の気持ちというか、今の気分で歌えたらいいなと思います」

 4月15日に第3弾の発表があって、現在154組が発表されています。

峯「え? 154組?」
や「最終的にもっと増えるよ」
峯「マジすか? そんななの? すごいね」
や「2日間だよ。1日125組ずつくらい」
峯「すごい!」
 やついさんだからこそ実現した組み合わせ。
峯「ねえ、芸人さんもたくさん。(リストを見て)疲れない? よくやるね」
や「初めてだよ、2日間は。今までは1日だったから」
峯「どっかでほったらかしの部分作らないとねー」
や「2日間だしねー」
峯「ねー。無理だよ、そんな」
や「1日はなんとかなったけど」
峯「うん、疲れるよねー」
や「どっかで峯田君と変わってもらおうかな(笑)。雰囲気似させて」
峯「すごいね〜。ちゃんとやろう」

IMG_2659 .jpg ミュージシャンに留まらず、芸人もアイドルも文化人のトークライブもある。いろんな人が見られる今回のフェス。峯田さんはフェスの楽しみ方とか魅力ってどういったところにあると思いますか?

峯「ステージ上にいる芸人さんだったりミュージシャンの音を客席で真正面から受けなくてもいいと思うんです。例えば友達と会場の外に出て、通路で喋っていて “ああ可愛い子がいるな”とか考えてたり、“最近どんなことがあった?”とか喋りながら、うっすら隣りから音楽が聴こえてくる。そういう雰囲気が僕は好きなんです。その時の気分でまた戻ればいいし。別にどういう状況でもいいんですが、後ろに音楽がある。そういうのがフェスのいいところだと思います。ふだんは気にも留めていなかったアーティストだから“見なくてもいいや”って外に出てたんだけど、なんか聴こえてくる曲がめっちゃ良くて、家に帰っても気になって、探してみようかな、とか。そういうきっかけになると思うんですよね」

や「全然フェスの話になんなかったけど、最後にやっとちゃんとしたフェスの話になったね(笑)」

 今後は5月中旬に第4弾、6月上旬に第5弾の参加アーティスト発表が予定されている。例年のYATSUI FESでは最後に大物アーティストの発表があるのだが、そこまで待っていてはチケットがソールドアウトになってしまう恐れが高いので、注意が必要!!
(本紙・本吉英人)

「YATSUI FESTIVAL! 2015」

【日程】6月20日(土)、6月21日(日)【開場・開演】両日とも12時30分(11時リストバンド交換開始)【会場】TSUTAYA O-EAST/TSUTAYA O-WEST/TSUTAYA O-nest/TSUTAYA O-Crest/duo MUSIC EXCHANGE/7th FLOOR/club asia/VUENOS/GLAD/SOUND MUSEUM VISION 【料金】2日通し券1万2500円(各日ドリンク別)、1日券(20日)6800円(ドリンク別)、1日券(21日)6800円(ドリンク別)※当日券の発売は未定【問い合わせ】TSUTAYA O-EAST(TEL:03-5458-4681)【オフィシャルサイト】http://yatsui-fes.com/