【特集】K-1−70㎏トーナメントはグレゴリアンが優勝
「K-1 WORLD GP2015 IN JAPAN~-70㎏初代王座決定トーナメント~」が4日、東京・国立代々木競技場第二体育館で行われ、アルメニアのマラット・グレゴリアンが優勝。初代王者に輝いた。
グレゴリアンは1回戦で山崎陽一を1Rから圧倒。右ヒザから右ストレートとつなぎ、左フックでダウンを奪う。2Rにはロープに詰めての左ハイキックで山崎がダウン。立ち上がったものの、この一発で右目じりから出血。レフェリーが試合を止めた。
準決勝の相手は1回戦で優勝候補のディラン・サルバドールを破り勝ち上がってきた牧平圭太。Krush-67kg王者の牧平は左のキックに活路を見出そうと積極的に放っていくが、グレゴリアンはそれをさばくとプレッシャーをかけながら強烈なパンチとキックで牧平を追い込んでいく。下がりながらのキックとなってしまう牧平はグレゴリアンを止められない。グレゴリアンはゴング間際に放った左フックでダウンを奪うと、2Rは距離を詰めての連打で決めにかかる。なんとか持ちこたえていた牧平だったが、最後はグレゴリアンが左ボディーフックからの右フックでダウンを奪いKO勝ちを収めた。
決勝に勝ち上がってきたのは5月の「Krush.54」で佐藤嘉洋を破り今トーナメントの出場権を奪い取ったジョーダン・ピケオー。1回戦では渡部太基と真っ向打ち合い、2Rに2つのダウンを奪ってKO勝ち。準決勝は1月のK-1で佐藤を破り、この日の1回戦では中島弘貴を2RKOで下したサニー・ダルベック。序盤こそダルベックが押し気味に試合を進めたが、1R終盤にピケオーが左ボディーでダウンを奪うと、ダメージが残るダルベックから2Rに立て続けに2つのダウンを奪いKO勝ちした。
ともに2連続KOでここまできた2人だったが、危なげなく勝ち上がってきたグレゴリアンに対し、ハードに打ち合ってきたピケオーという印象。序盤からプレッシャーをかけ前に出るグレゴリアンは左右のボディーフックから顔面へのフックの連打、そしてとどめのアッパーでピケオーを倒す。立ち上がったピケオーだったが足元はふらふらでレフェリーが試合を止めた。
写真左:〈1回戦〉ハイキックで山崎を出血させる。同右:〈準決勝〉牧平を寄せ付けず
写真左:卜部弘嵩(奥)はスーパーファイトで延長の末、闘士を退ける。同右:卜部功也(右)はダウンは奪えなかったものの3-0の判定で勝利
ゲーオが復活!! 左右田に圧勝
ゲーオ・フェアテックス(-65kg)、卜部功也(-60kg)、武尊(-55kg)というこれまで行われた3回級のトーナメントの王者がそろい踏みしたスーパーファイトではゲーオが久しぶりに凄みを見せる。トーナメント制覇後の1月大会で木村“フィリップ”ミノルにダウンを喫しての判定負け。4月に野杁正明とのカードが組まれたのだが、その直前の3月に『WPMF JAPAN×REBELS』に出場。額に8針を縫うケガを負い、結局欠場と負のスパイラルに陥っていた。相手の左右田泰臣は “65kg日本人最強決定戦”ともいわれた久保優太との一戦を制し、上り調子。トーナメント決勝の借りを返すかと思われたが、ゲーオが左右田を圧倒。2Rにダウンを奪い、判定ながらジャッジ3者が30-26の完勝を収めた。
左右田は試合後「生まれて初めて記憶を飛ばされた。試合終わってみて、自信なくしました。それだけ本当に強かった」と肩を落とした。