脱こじらせへの道第4回 美しいエピソードで飾り立てた不倫……あなたは大丈夫?

75%が「昼顔」的な経験あり!?「不倫、したことある?」

 こんにちは、田口です。このコラム、第2、第4金曜日更新ということで、今回は中2週空いてしまいました。
 みなさん、相変わらずこじれてますか?

さて、今回は『75%が「昼顔」的な経験あり!?「不倫、したことある?」』というアンケートをもとに「こじらせ」からの脱却の道を探ってみたいと思います。

 まずは不倫の定義づけから参りましょう。
 不倫というと「=セックス」と思いがちですが、決してそんなことはありません。
セックスしていなくても本人が不倫だと思っていれば不倫。今回のテーマではこのスタイルでいきます。

男と女がいればセックスしちゃうときもあります。
今回問題にしたいのは、そこにことさらに「不倫」という言葉を乗っけちゃうという状態について。

「旦那とはセックスレスだから外で満たしている」とか、「妻とのセックスは義務感があるから外で新しい女の子とヤッてるほうが楽しい」といった話をよく聞きます。男女を問わず、既婚者なのに外でめちゃくちゃヤリまくっている人がいますよね。

この人たちは「単にセックスが好き」な人たちだと思うんですね。

こういうふうに、単にセックスが好きというのはこじれてないし、清々しさすら感じます。
一応ジャンル的には不倫ですし、世間的には後ろめたい関係ではありますが、本人にとってはただ「セックスが好きだからしたい」という至ってシンプルなこと。セックスが好きなゆえの不倫。

 それとは真逆の、私の知人の話です。
 まだ結婚していないので不倫にはあたらないんですが、結婚を前提に付き合っている恋人がいるのに、いろんな異性とヤリまくっちゃってる人がいます。そして、ヤるたびに浮気相手に感情移入してしまう。「今日だけは本気」を通り越して、その浮気相手とも付き合ってる感覚でいるというか。セックスするだけじゃなくて、それぞれの相手に物語を持っちゃってる。これは不倫予備軍だなって思います。

相手に妻や夫がいれば不倫で、そうでないときは浮気、二股。
前述の知人は結婚はしていませんが、カテゴリー的にはすごく不倫に近い。結婚さえしちゃえば、不倫ですね。

 このパターンで厄介なのが、セックスしなくても不倫が成立する場合があるんです。
 セックスしなくても、「彼氏(または彼女)がいるのに、あなたのことを愛してしまっているの……」と悲劇のヒロイン(あるいはヒーロー)を演じる場合がそれです。
 セックスしなければ、何を考えても自由ではありますが、精神的にはかなりこじらせた「不倫中毒者」と言えるでしょう。

浮気される側からするとたまらないかもしれませんが、単にセックスが好きな人は、端から見てると仕方がないというか、罪がないというか…。

それより、物語を作ってしまう不倫、しかもセックスしない不倫のほうがタチが悪い。ちょっと危ない。それこそ、相手との間に描いた物語をそのまま小説にでもしたほうがいいです。

また、不倫に陥るパターンとしては、
「相手が既婚者とは分からなかった」「出会った時には既婚者だった」というものがあります。でもこれはもう仕方がない。同級生とかだったら、そこまでにチャンスもあったでしょうが、そうじゃない場合は出会えてなかったんだから仕方がない。

女性の場合は若いころって同年代の彼氏と付き合っていても、5〜10歳くらい上の人についつい心を奪われる時があります。それは変な意味ではなく、お金があって同年代の彼にはできないことをしてくれるから。そうなると女の子って簡単に落ちますよね。

でも、人にもよりますが、年とともに自分がお金を払う側になると、お金を払ってくれる男の人についていくことがバカバカしいなって思えるようになってくる。「自分でお金を払えるのに、そんな危険な橋を渡らなくても」ってことですね。

定義づけのつもりがついつい不倫について語ってしまいました…。

アンケートに戻りますが、このアンケートは盛り上がりました。返答数も多かったし、自由記入の欄も豊富。エピソードの分量が半端なかったです。みんないっぱい書いてきてくれました。

それは、まず人には言えないということが前提としてあるので、ここで発散しているということもあるのでしょう。言えない分、言いたい。
恋バナでしたら友達とも普通にできますし、情報交換もできますが、不倫話はどんなに仲のいい友達でも話題にするにはちょっとハードルが高いです。

そして不倫にはまっている人ほど自分に酔っちゃう傾向がある。だから書く事はいっぱいある。
物語を自分で作っちゃっている。だからみんな長い。
そしてみんな小説のような書き出しになっているんです。
自分主役の物語です。人に言えない分、よけいに自分の中でストーリーが膨れ上がっちゃって、長文になっちゃう。それも美しいエピソードばかり。
そう、さっき定義付けのときにあった「物語をつくってしまう不倫」ですね。

仲のいい友達には言っちゃえばいいと思うんですよ。犯罪というわけではないんですから。
それで友達に意見されて考え直すというのもありですし、応援してくれるのなら続けてもいいし。

男性の場合、友達に相談しちゃったり、ぽろっと言っちゃう人は多いかもしれません。

でも女性の場合は若い世代はともかく、30歳を過ぎたあたりだと周りに結婚している人が増えて、そういう話題はしづらくなります。自分の旦那と不倫してたら…って、自分に置き換えて考えてしまい、絶対否定されるじゃないですか。

でも、この不倫のこじらせから抜け出すには、それしかないと思います。
人に話して、冷静な意見を聞いてみること。

 いろいろ不倫論的なものをつらつらと語ってしまいましたが、
結論としては不倫に物語を乗っけちゃうのはこじれです。それも「自分を美化し飾り立てる」物語は特にです。
物語を乗っけちゃうというのは、不倫を正当化するということにもつながっていきます。
その“正当化”は「現実を見ないでいい」という免罪符を自分に与えてしまいます。
「不倫しているから結婚できない」「この恋を貫きたいから私、結婚しないの!」といった、いわば現実逃避。
選択をしなくてもいい状況に逃げているという言い方もできます。

セックスのあるなしは関係なし。
むしろセックスのない不倫は怖いです。

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田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。
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