今週の”人”佐野研二郎氏(アートディレクター)

 2020年東京五輪の公式エンブレムの制作者。そのデザインがベルギー東部にあるリエージュ劇場のロゴと似ていると指摘された問題で5日に会見し「要素は同じものがあるが、デザインに対する考え方が違うので、全く似ていない」と反論した。

 しかしその後、ネット上で佐野氏の過去の作品にも別のデザイナーの作品に「似ている」ものがあるという声が上がり始める。

 現在サントリービールで販促キャンペーン中のトートバッグの中にも類似したデザインが見受けられ、佐野氏が代表を務めるデザイン事務所は30種類中8種類について「ネット上などにおいて著作権に関する問題があるのではないかと指摘が出ている」として取り下げを申し出た。

 トートバッグに関しては佐野氏は“監修”の立場。実際のデザインはスタッフがしており、 “トレース”したのもスタッフ。しかし監修としての責任はもちろん佐野氏にあり、かつ佐野氏の名前で大々的に展開しているキャンペーンだけにその責任は重い。

 その後も名古屋市にある東山動植物園のシンボルマークも中米コスタリカの国立博物館のマークに「似ている」との指摘があがった。

 そんななかエンブレムの使用差し止めを求め提訴したデザイナーのオリビエ・ドビ氏を組織委員会が非難する声明を出すなど事態は混とんとしている。