「フルーツパワー」で夏の体内ダメージをリセット

毎日の生活にフルーツパワーを上手に取り入れよう

　毎日の食卓に、果物は上がっていますか？ フレッシュジュースやスムージーが人気の一方、実は日本人の果物の摂取量は低迷しているといわれている。フルーツというとビタミンCをイメージする人が多いかもしれないが、フルーツにはそれ以外にも健康サポートに役立つ、大切な栄養素が含まれている。それぞれの特徴を知れば、旬や気分に合わせて、多彩なフルーツをおいしく食べて、健康維持につなげることができるはず！

　とはいえ、食事に欠かさず、デザートのフルーツを用意するのはなかなか大変。忙しい朝だと、フルーツをゆっくり食べる時間もない。そんなときは、ジュースにしたり、スムージーにして朝ごはん代わりにしてもよし。果物や野菜の力を生かした“朝ジュースダイエット”を紹介している、カクテル＆ジュースコーディネーターの藤井香江さんに、フルーツを手軽に摂取する方法をアドバイスしてもらった。
「生のフルーツを使って作るスムージーは、素材の栄養をまるごと摂取できる他、グリーンやオレンジ、ピンクなど、使う素材によってさまざまな色の変化を楽しめますので、飲むだけで気分が上がります。そのまま食べると大変な量や種類でも、ミキサーにかければあっという間。1杯で多くの食材が持つ栄養素を気軽に簡単に補うことができます」

「フルーツの栄養を手軽に効果的に摂るには、生のフルーツでジュースやスムージーを作るほか、補助サプリを活用するなどの方法もあります」

　自分で作るので好きなフルーツをミックスしたり、栄養素が足りないときはサプリを加えたり、自在に工夫したりアレンジできるのも、ジュース作りの良い点だ。

「特に忙しい朝の栄養補給に、食生活の乱れが気になる方、ぜひ、美味しく飲んで体の中から元気に健康になれるスムージーを、毎日の生活に取り入れてみてください」

　デトックスやアンチエイジングなど、美にも健康にも大切なフルーツのパワー。いろいろなフルーツの特徴を知って、毎日の健康サポートに役立ててみては。

バナナ=疲労回復

　バナナは糖質が多く即エネルギーに変わるため、スタミナ源として最適な果物。熟すにつれて消化吸収のよいブドウ糖、果糖、ショ糖に変化し、バナナ2本でご飯1杯分のエネルギーが摂れます。また、ビタミンB2は糖質をエネルギーに変換するときに必要な栄養素といわれ、糖質とビタミンB2を同時に摂れるバナナはまさに最強の疲労回復フルーツといえるでしょう。その他、高血圧予防によいカリウムや脳をリラックスさせるセロトニン、白血球を増やし免疫力を高める作用も期待できます。

キウイ=美肌

　キウイはビタミンＣをたっぷリ含むフルーツ。特にキウイ1個あたりのビタミンCはレモン以上といわれ、メラニン色素の生成を阻害し、シミやそばかすを防ぐ他、コラーゲンの生成を助けてハリのある美しい肌づくりに役立ちます。またイライラを鎮静し、精神を安定させるほか、ビタミンEとの相乗効果で、強力な抗酸化パワーを発揮し老化を防止。健康維持に欠かせない果物です。さらに、タンパク質分解酵素のアクチニジンを含み、肉や魚料理のつけあわせや料理に使うと、消化が促進されます。

マンゴー=免疫力アップ　

　マンゴーは果物の女王と称賛されるフルーツ。ビタミンエースといわれる栄養素、ビタミンACEを豊富に含み、抗酸化作用が強く免疫力を高めます。特に肌の粘膜を丈夫に保つ作用があり、風邪予防や肌荒れ、血行を促進し、冷え症改善にも最適です。その中でも体内でビタミンAに変わるカロテンは活性酸素を強力に抑制し、細胞の老化を抑え、肌を美しく保ちます。その他、造血ビタミンといわれる葉酸や腸内環境を整える食物繊維、カリウムなど、身体を内から外から美しく健康に保つために役立ちます。

アボカド=老化防止＆血液サラサラ

　アボカドは森のバターといわれるほど栄養満点のフルーツ。特にコレステロールを減らし血液をサラサラにする良質な脂質、オレイン酸などの不飽和脂肪酸をたっぷり含みます。また、抗酸化作用の強いビタミンEは血管を若々しく保ち、老化を防止したり、不飽和脂肪酸が酸化するのを防ぎます。その他、ストレスへの抵抗力を高めるビタミンCや脂質の分解を促すビタミンB2、むくみ予防に最適なカリウム。鉄や食物繊維は女性に多い貧血やお通じの改善に役立ちます。

アサイー=アンチエイジング

　アサイーは小さな実の中に多くの栄養素を蓄え、優れた栄養価からミラクルフルーツとも呼ばれます。その栄養成分の代表格は抗酸化作用が強くアンチエイジングに欠かせないポリフェノール。特に老化や身体の不調を引き起こす活性酸素を抑制するパワーが強く肌の衰えやダメージに効果を発揮します。その他、腸内を健康に保つ食物繊維やコラーゲン合成に関わるビタミンC、B1、B2、鉄や食物繊維、カルシウム、アミノ酸、オレイン酸など、多くの栄養素による健康効果が期待できます。

りんご=デトックス＆整腸作用

　りんごは「1日1個で医者いらず」といわれるほど栄養豊富なフルーツ。ビタミン、ミネラルはもちろん、有機酸、食物繊維なども含まれます。その中でも皮の部分に多い水溶性食物繊維の一種ペクチンは腸内の善玉菌(乳酸菌)を増やし腸の調子を整えるほか、腸内の有害物質を吸着して体外へ排泄する作用を持ちます。また不溶性食物繊維のレグナンやセルロースはコレステロールの吸収を抑制、クエン酸やりんご酸は疲労物質を分解し疲労回復を促す他、糖質との相乗効果により、二日酔いや精神安定作用が期待できます。