夏の甲子園 東京勢は決勝進出ならず 優勝は東海大相模

「第97回全国高校野球選手権大会」(兵庫・甲子園球場、8月3〜20日)の決勝が20日行われ、東海大相模(神奈川)が仙台育英(宮城)を10−6で破り、45年ぶり2度目の全国制覇を果たした。

 東海大相模は仙台育英の佐藤世那の立ち上がりを叩き、序盤に6点を奪う。一方の仙台育英も3回に3点を返すと、6回には満塁から佐藤将のセンター超えのタイムリー三塁打で6−6の同点に追いつく。

 5回から立ち直った佐藤は8回まで無安打に抑え、流れは仙台育英かと思われた。

 しかし9回表、東海大相模のエース小笠原慎之介が高めにきたフォークをフルスイング。ライトスタンドに勝ち越しホームランを叩き込む。一死後、宮地のツーベースからエラーとタイムリー、犠牲フライで畳み掛け、この回一挙4点をあげ10−6とし、試合を決めた。

 大会前から大きな注目を集めた早稲田実業と関東第一の東京代表の2校は順調に勝ち進んだものの、ともに決勝を目の前にした準決勝で力尽きた。東京2校が準決勝に進んだのは1987年(第69回大会)の帝京と東亜学園以来28年ぶり。東京同士の決勝となれば、春のセンバツでは1972年に日大桜が丘と日大三の間で争われたが、夏は初めての快挙となるところだったが、かなわなかった。

 早実の清宮幸太郎は1回戦の今治西(愛媛)戦で7回に甲子園初安打で初打点を記録。チームに勢いを与えた。2回戦の広島新庄(広島)では2安打、3回戦の東海大甲府(山梨)戦では待望の一発を右中間席に放り込み、3安打5打点で8−4の勝利に貢献した。準々決勝の九州国際大付(福岡)戦では2戦連発となる甲子園第2号。1年生での2本塁打は1983年の桑田真澄(PL学園)以来。

 準決勝こそ大会屈指の右腕である仙台育英の佐藤世那の前に1安打、それも当たり損ねの内野安打に終わり、0−7で敗退。1年の夏はここで終わってしまったが、19打数9安打、9打点、2本塁打と1年生とは思えない活躍でチームを引っ張った。あと2年、甲子園を沸かせることになるだろう。

 2回戦からの登場となった関東第一は、こちらも地区予選から話題を集めたオコエ瑠偉が大活躍。初戦の高岡商(富山)戦ではオコエの3安打5打点の活躍もあり12−10と打ち勝つと波に乗り、3回戦の中京大中京(愛知)、準々決勝の興南(沖縄)と1点差ゲームをものにし準決勝へ進んだ。準決勝では東海大相模に初回に4点を奪われ、ペースを奪えないまま10−3で敗れた。

 オコエは中京大中京戦では、初回の二死満塁のピンチにセンター後方の大飛球を背走してキャッチするスーパープレー。興南戦では同点で迎えた9回二死二塁の場面で決勝ホームランを放つなど、“記憶”に残るプレーを連発した。