「早死の祟り」に取り憑かれた居候は幽霊嫌い!?
『祟り婿 古道具屋 皆塵堂』著者:輪渡颯介
輪渡颯介の大人気の「古道具屋 皆塵堂」シリーズ第5弾。病で亡くなった人の家財道具はもちろん、首吊りや一家心中のあった家からでも平気で古道具を持ってくるという古道具屋皆塵堂。そのため、店には幽霊が出るという噂もちらほら。そんな皆塵堂に新たな奉公人がやって来た。その連助という男、幽霊や呪い、祟りを一切信じていない。そのため、幽霊が見える太一のことも敵視し、いつかその化けの皮をはいでやろうと、常に目を光らせている。
いつものように皆塵堂に、やっかいな幽霊騒動が持ち込まれるのだが、なぜか店主の伊平次は連助には、幽霊を見せないようにしている様子。しかも、何やらコソコソと調べている。実は連助が幽霊などを信じないのは、彼自身が早死にをするという祟りに取り憑かれていたからだった。そのため、幽霊が出ると噂の皆塵堂にあえて乗り込み、幽霊や祟りの類がインチキだということが分かれば、自分の祟りも嘘っぱちだと証明されると思ったのだ。そんな連助の気持ちが分かるから、伊平次はじめ、魚屋の巳之助、地主の清左衛門らの皆塵堂に集まる人たちが、人知れず連助の祟りの謎を探り、どうにかそれを取り払おうと、動いていた。
幽霊騒動と平行して、祟られている連助を救う算段をする彼らは、無事に謎を解明し、祟りを解くことはできるのか!? シリーズを重ねるごとにパワーアップしていく怪談騒動は意外な方向へ向かう。巳之助と猫のほのぼのエピソードも健在なので、猫好きな人にもおススメ。
【定価】本体1500円(税別)【発行】講談社