小池百合子氏「見えない公共事業が必要」

 本紙コラムニストの小池百合子衆議院議員が8日、社会経済学者の松原隆一郎東京大学大学院総合文化研究科教授との共著で上梓した著書『無電柱革命〜街の景観が一新し、安全性が高まる』(PHP新書)の出版記念会を都内で開いた。

 かねてから電柱のない海外を巡りながら無電柱化のアイデアを深めていたという小池議員。あいさつでは、阪神大震災時に、電柱が倒れて道がふさがれて救急車や消防車が通行しにくくなったり救援活動を円滑に行うことが困難になった現場を見て、「これからの防災を考えるうえで無電柱化を進めるべきだと考えた」と話した。

 現在は自民党無電柱化小委員会の委員長も務め、無電柱化推進法案の「1日も早い成立を目指す」。小池議員は「公共事業は目の敵にされてきましたが、これ(無電柱化)こそは社会資本として残る。美しい街並み、安全な街並みは日本の宝になると思う。見える公共事業ではなくて、見えなくする公共事業というのが日本にとって必要」と、意気込んだ。

 同書は、小池議員が長きに渡り取り組んでいる無電柱化について、海外の事例を挙げつつ、コスト面や社会に与える影響などを分かりやすく解説している。