脱こじらせへの道 第12回 女性とセックスの間にはたくさんの溝がある
こんにちは、田口です。
前回は「女性のオナニーには罪悪感がつきまとっている」というお話をしました。今回はその罪悪感の理由を探って、さらになぜ罪悪感が生まれるのかというところまで掘り下げようかと思っています。
それで「AV派? 妄想派? ひとりエッチのとき何をおかずにしている?」というアンケートをもとにお話を進めようと思ったんですが、こじれの観点でいうと、なにをおかずにしているかは関係ないです。今回は「こじれ」から離れて「溝」について考えてみようと思います。あしからず。
溝というのは「ハードル」といってもいいかもです。
まず結論から言うと、女性と性欲の間には溝があります。そしてその性欲とオナニー、セックスなどの行為をするということの間にも溝がある。つまりオナニーに行くまでに2段階の溝があるんです。
女性が性欲を持つことはおかしいと思っている人が男女ともにまだまだ多いんです。
実は性欲、セックスに対しては昔のほうが忠実だったような気がします。昔というのは昭和初期とか高度経済成長期といった時代。知らないからこそ、「やってはいけないこと」という知識もなく「やってみたい」という気持ちが勝つことでできたというのも大きいです。また、時代の流れから、子作りのためのセックスが推奨されているような風潮もあったのではないでしょうか。
少し飛躍した論にはなりますが、子作りのためのセックスはいいけど、快楽のためのセックスはダメ、というような。これは前回の、男性のオナニーは物理的に必要だけど、女性はそうではない、というものと似ていますよね。
溝の話に戻ると、オナニーやセックスの先にAVがあって、さらにその先にAV女優がいるという構図になっています。こう何段階も溝があるので、本当は地続きのはずなのにAV女優を軽んじる女性って、意外と多いんです。
ではなぜ溝を感じるのか? そして男性には溝はないんでしょうか?
男性は、通常のセックスについてはハードルというものは感じていない人が多いようです。
例外として浮気の場合は罪悪感でハードルを感じる、ということはありますよね。それはなんとなく分かります。
また、GIRL’S CHのユーザーさんには溝を感じていない人が多いと思います。それはたくさんの声を寄せてくれていることと、その内容からも明らかかと思います。となると溝を感じている人とそうでない人との差は情報とか知識ということになるのではないでしょうか。
最近のテレビって、24時間テレビの鶴瓶師匠とか、バラエティー番組で温泉に入っていて、チンコのところだけ番組のロゴで隠されていたりといった出方で男性のポロリってまだあるじゃないですか。芸人さんでも「チ◯コ」とか平気で口にしますよね。
でもおっぱいってこの10年くらいホントに見なくなったと思いませんか?
ちょっと前まではテレビ東京が深夜の番組で頑張っていたんですが、もう今は完全にないですよね。どうやらおっぱいはダメらしいのです。
これは察するに、クレームをつける人が増えたからではないかと思います。直接電話などで抗議する人もいれば、ネットで書き立てる人も増えたのでしょう。それでこの10年、特に男女のテレビでの扱いには差が出てきている。
男性の性器はただ体の一部が見えてしまっているだけ、でも女性の体の一部が見えてしまうのは、それで劣情をもよおしてしまう方がいる可能性があるから。
性欲を持つ可能性を絶ちたい、というのが、この取り締まりの厳しさにつながっているのではないでしょうか。
(では、男性の性器を見て女性が性欲をもよおすのではないか?という抗議はないのか……と思いますが、それも女性に性欲がないと思われている、という仮説の上に成り立っているのかな、とも思います。)
エロ本もどんどんなくなっていますよね。
人々の目からエロがどんどん遠ざけられているんです。
ちょっと不思議ですよね。性の解放化が進んでいたはずなのに…。
思想が豊かになっている反面、ネット以外ではエロに関するモノはなくなってきている気がします。雑誌の衰退はその最たるものでしょう。
雑誌や新聞は自分が見たいもの見ているもの以外にも、隣りにあるものが偶然目に入ってきたりという思わぬ出会いがありますが、ネットは自分の調べたいこと、見たいものしか見ることができません。でもネットのいいところは深掘りができるところ。
それはもちろんエロに関しても一緒で、肉食女子は深堀しますからより肉食化が進み、そうでない人は得る情報もその機会も減ってしまい、二極化が進んでしまっているんです。
その情報が少ない人のほうにセックスに対する抵抗が残ってしまっている。
世間的には、最近は映像コンテンツなどがあふれていて、映像のほうが雑誌なんかより過激というイメージがあるから、女性も性に対して開放的になっているという印象が広がっているんですが、まだまだ情報が少ない層は多く存在しています。そしてこの人たちが感じる溝はまだまだ解消されていないということなんですね。
でもおっぱいくらいいいですよね。昔は水泳大会でポロリなんてよくあったじゃないですか。
土曜深夜のお色気番組、平日でも「11pm」「トゥナイト」といろいろありました。
私の場合は中学生くらいまで普通にテレビでAVの紹介をしてましたよ。
そういうものでちょっとずつエロに対するハードルを下げていったというか耐性をつけていったというか…。そもそも、おっぱいごときで「性欲をかきたてるものだ!」という発想が非常に短絡的だと思うのですが。
最近では雑誌も非常に過激なものとそうでないものに分かれちゃっているから、徐々に慣れるということがなかなか難しい。より二極化は進むばかりですね。
昔、私が高校生くらいのときは「パステルティーン」「エルティーン」といった女子中高生向けのエロ雑誌があって、よく読んでいたものです。
結構過激な特集があって、過激な見出しが表紙に躍っていました。買って女子たちみんな回し読みなんかもしました。
こういう雑誌は2000年代初頭まであった気がします。GIRL’S CH立ち上げのときに、自分たちが性の知識を見た原点であるそれらは、今どうなっているのだろう?と調べてみたのですが、廃刊を知って、さっそくこれは大変な事業だぞ、と思った記憶があります。
エロコンテンツについては「扇情させるからダメ」という人もいれば「ガス抜きになるからいいんじゃないか」という人もいて、それぞれに説得力があるんですが、情報が少なくて結果的に困った状態になる人も存在するのは確かです。
そういう人はどうすればいいのか、は次回で考えたいと思います。
それまでは、とりあえずはGIRL’S CHを見てください。
過激なものばかりじゃなくて、ソフトなものもたくさんありますから。
それに今週(11日)から、処女向けのハウツー、「処女活 いつか卒業する前に!〜貴女のささやかな疑問解決します〜」も始めることになりましたので、こちらもぜひ見てください。
あっ、宣伝みたいになっちゃった!!
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。
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