【2015年重大ニュース】 安心してください読めばだいたい分かります その3

 年末恒例のTOKYO HEADLINE編集部が独断と偏見で選ぶ重大ニュース。今年はどうにも落としどころがうやむやというか結末が腑に落ちないというか、すっきりしない事件や出来事が多かった印象。そして著名人のやらかしが多かった昨年に比べ、素人の台頭が目立った一年でした。

又吉直樹がデビュー作『火花』で芥川賞

 2015年のエンターテインメントにおいて最大のトピックをあげるなら、間違いなく『火花』だ。お笑いコンビ、ピース・又吉直樹による小説で、又吉はデビュー作となる本作で第153回芥川賞を受賞。注目を集めるとともに売り上げも伸び、11月末に発表された『オリコン 2015年 年間“本”ランキング』の『BOOK(総合)部門』では1位に。このランキングで推定売上は223万部を超えるミリオンセラーになったことも明らかになった。最新情報では発行部数は累計245万部(2015年12月現在)に達した。この偉業により、又吉は、男性誌『GQ JAPAN』の今年最も輝いた男性を表彰する『GQ Men of the Year 2015』に選ばれている。

『火花』はNetflixオリジナル作品としてドラマ化され、2016年春から全世界で全10話が一挙ストリーミングされることが決定している。本作には、林遣都、波岡一喜、門脇麦らが出演。小林薫、田口トモロヲ、染谷将太らも追加された。現在、春に向けて撮影は順調に進行中だ。

 又吉は、『オリコン 2015年 年間“本”ランキング』発表時、「音楽、映画、TV、劇場、お笑い……世の中には“面白いもの”がいっぱいあります。いろんな“面白いこと”の選択肢から、本を手に取って読んでもらうことがいかに難しいか……。そういう状況を踏まえて、今後も書いていきたいです。(中略)読書以外の“面白いこと”に対抗できる作品をつくっていくのが必要なんやろな、というふうに思います。本もお笑いも、これからも両方ちゃんとやっていこうと思っています」と、コメントしている。

オードリー春日はフィン水泳

 お笑いとは別のもので結果を残したといえば、オードリーの春日俊彰。フィン水泳日本代表に選ばれ6月にイタリアで開催されたW杯マスターズ大会で10位に、5月に行わわれた東京オープンボディビル選手権でも75キロ級で5位に入賞した。

人生はドラマティック!

 2015年の日本のエンターテインメント業界は例年以上にドラマティックだった。女優に俳優、タレント、歌舞伎役者……彼らのオフステージは、舞台の上やカメラの前で展開されるストーリーがかすんで見えてしまいそうなほど「なんか、ドラマみたい!」だった。

 まずは、富士山麓でオールナイトライブを行っていた長渕剛がオーディエンスと一体になって太陽を引っ張り出そうとしていた8月22日に突然発表された、堀北真希と山本耕史の結婚。6年間想い続けるも交際日数は実質ゼロ、40通の手紙攻撃、山本が勘で堀北が乗車していると思われる新幹線に乗り込んでプロポーズ……など、ドラマもびっくりの展開だ。

 福山と吹石のビッグカップル誕生の裏には、切なくておいしいドラマが。同じ9月28日に千原ジュニアが一般女性との入籍を発表。その直後に福山吹石の結婚が明らかになり、メディアはそれ一色。千原は、翌日出演した番組で「福山雅治です」とあいさつ。

 別離はさらにドラマティックだ。熊切あさみと片岡愛之助の破局からの、藤原紀香と片岡の熱愛・交際宣言までの一連のストーリー。熊切と片岡は「別れている」「別れていない」と言い分の食い違いがワイドショーを巻き込んで大きなうねりに。その後、片岡が自身のブログで藤原との交際を宣言。熊切は「転んでもただでは起きぬ」とばかり破局騒動もネタにイベントにテレビ出演に精力的だ。

 2016年も最高のドラマに期待!

全国『ましゃロス』

 結婚ラッシュだった2015年の芸能界。そのなかでも最も衝撃を与えたのが、福山雅治と吹石一恵のビッグカップルだろう。9月28日に結婚。最後の独身大物芸能人の一角を担っていた福山の結婚発表は大きなニュースに、テレビ、新聞、ラジオ、インターネットメディアなどあらゆるメディアが大きく報道。福山は自身のラジオ番組で「自分の人生のなかで一番取り上げられた」とコメントするほどだった。一方、吹石は自身のウェブサイトにアクセスが集中してダウン、結婚報告ができたのは1カ月後だった。

 結婚の一報は、ファンを中心に女性たちを直撃。怒涛の報道もそれを後押したのか、何もやる気がしない、会社を休む、じわじわと落ち込むなど『ましゃロス』に陥ったケースも多数報告された。この『ましゃロス』は、2015年の流行語大賞の候補にもノミネートされた。

 また、所属事務所アミューズの株価は急落。ちょっとした福山ショックだった。

俳優魂、女優魂を貫く

 今年も多くの人が逝ったが、直前までカメラの前で、俳優女優として生ききること、その志を貫く今井雅之さんと川島なおみさんの姿には目頭が熱くなった。

 今井さんは大腸がんで5月28日に亡くなった。4月末に「ステージ4」であることを告白し、ライフワークともいえる舞台『THE WINDS OF GOD』を降板した。

 川島なお美さんは胆管がんで9月24日に亡くなった。主演していたミュージカルを体調不良を理由に同16日降板した。

 2人とも病と向き合い、そして闘いながら、最後まで再び舞台に立つことをあきらめなかった。