男子サッカーがリオ五輪出場権獲得
今夏のリオデジャネイロオリンピックのアジア予選を兼ねたサッカー男子のU−23(23歳以下)アジア選手権の決勝(1月30日)がカタールで行われ、U−23日本代表は韓国を3−2で破り優勝。3位までに与えられるリオ五輪への出場権を獲得した。
今回のU−23世代はアジアでは成績がふるわず、“勝てない世代”といわれていた。
今大会も前評判は決して芳しいものではなかった。しかし予選グループの初戦(13日)の北朝鮮戦で1−0としのぎ切り勝利を収めると、あれよあれよの3連勝で決勝トーナメント進出を決めた。
試合ぶりも安定。なにより手倉森監督の選手起用や作戦が冴えわたり、チームは一丸となって五輪出場権獲得に向け突き進む。
迎えた準々決勝ではイランと対戦。負ければここまでの快進撃が水の泡となるだけに、ある意味一番プレッシャーのかかる一戦だったが、日本は延長戦の末、3−0で勝利。
準決勝はこれまで2戦2敗のイラクが相手。しかし今大会、戦いを通じて大きく成長した日本は延長直前の後半のロスタイムにGKがパンチングしたボールを原川が左足で豪快なミドル。劇的な決勝ゴールで2−1で勝利を収め、五輪出場権を獲得した。
決勝の相手は宿敵・韓国。試合前に「日本は我々の優勝の自販機」などと相変わらずの挑発を繰り返す。
試合は韓国が前半20分にクォン・チャンフンのシュートで先制。日本にとってはDF岩波に当たって方向が変わる不運な失点。そして後半開始早々の2分にはチン・ソンウに決められ2−0と暗雲が漂ったが、手倉森監督は15分に浅野を投入。浅野は22分に矢島の縦パスに反応しゴール。直後の23分には山中のクロスを矢島が頭で決め、あっという間に同点に追いついた。大会を通じて終盤に足が止まる傾向のあった韓国の弱点を突いた選手起用がズバリと当たった。
浅野は36分には中島の浮き球に合わせDFを振り切るとGKとの1対1を冷静に右隅に決め、ついに3−2と試合をひっくり返した。
試合後、手倉森監督は「もう2点取られたんで開き直って仕掛けるしかないと思った。でも、勝つことになっていたのかな…という感じです。もっと鍛え上げて安心して見られるチームにしたい。2点取られてむかついていたので、とにかく優勝してすっきりしました」と独特の表現で喜びを表した。