大阪国際女子で圧勝の福士「リオ決定だべえ」と思ったが…

(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

 リオデジャネイロ五輪の代表選考を兼ねた「大阪国際女子マラソン」(1月31日、大阪市・ヤンマースタジアム長居発着)で福士加代子が2時間22分17秒で優勝した。2位は中間点ではトップ集団に3分40秒差の8位グループにいた堀江美里が後半上位陣を次々と交わしゴール。昨年痛めた足の故障を乗り越えての結果に「2位は想像していなかった。準備してきたものは出せた」と振り返った。

 ロンドン五輪代表の重友梨佐は福士から8分以上遅れて5位でゴール。2大会連続の五輪出場が絶望的となった。
 福士は5キロ16分40秒前後の速いペースで30キロまで押し通し、ペースメーカーが外れた30キロ以降も競り合う選手がいない独走状態だったにもかかわらず、ラップタイムの落ち込みを最小限に抑え、2位の堀江に6分3秒の大差をつけた。日本陸連の派遣設定記録2時間22分30秒を上回ってのゴールに「初めて取ったよ、1等賞。リオ決定だべえ」とガッツポーズで笑顔を見せた。

 女子マラソンの五輪代表枠は最大で3。選考レースは「さいたま国際」(昨年11月15日)、「大阪国際女子」(1月31日)、「名古屋ウィメンズ」(3月13日)の3大会で、日本勢3位以内が選考対象となっている。
 しかし昨夏の世界選手権で日本勢最高の7位となった伊藤舞が内規で既に代表に決定しており、残りは2枠。さいたま国際で日本人最上位だった吉田香織、大阪国際で同2位の堀江が2時間28分台と物足らないことから、福士はほぼ確定と思われた。しかし2日になって所属するワコールの永山忠幸監督が、名古屋ウィメンズにエントリーする方針を表明。

 確かに名古屋には野口みずき、前田彩里、木崎良子といった多くの有力選手の出場が見込まれており、そこで今回の福士の記録を上回る選手が2名現れない保証はない。しかし本番のリオを考えれば、約1カ月半という短期間での試合は果たしてどうなのか。4年に一度、恒例の五輪マラソン代表選考に関するゴタゴタが今回も繰り広げられてしまうのか…。