インテリア・ファンに大人気の北欧ブランド|知っておきたい名作家具(2) スワンチェアとYチェア

©flickr/Ren Kuo title:Y ChairCH24 @ 毛鏗 / 台南

■座り心地を徹底的に追求した機能美の名作『Yチェア』

 次は、フリッツ・ハンセンのラインナップから、アルネ・ヤコブセンの弟子にあたるハンス・J・ウェグナー(※)の最高傑作『Yチェア』をご紹介します。

 徹底的にムダを削ぎ落とし、シンプルを極めたデザインで、「世界で最も美しい椅子」や「椅子の中の椅子」とまで評される『Yチェア』。

 なぜ、『Yチェア』なのか、それは、背を支える支柱がYの字だからです。
 緩やかな曲線を描くYの形の背もたれは、ひとつひとつ丁寧にスチームを使った曲げ木を加工して製作されています。

※ハンス・J・ウェグナー…1914年4月2日、デンマーク生まれ。
コペンハーゲンにある美術工芸学校の家具科で学んだ後、27歳の時にアルネ・ヤコブセンの建築事務所で働くようになる。その後、独立し、1943年~1946年には自らデザインスタジオを持ちながら自身が卒業した美術工芸学校で教鞭をとり、椅子のデザインを続ける。
Yチェアをはじめ、ピーコックチェア、ラウンドチェア(ザ・チェア)など、現在までに500種類以上もの椅子をデザインし、その作品はニューヨーク近代美術館を始め、幾多の公共機関に多数コレクションされている。ヤコブセンと同様、北欧デザインの最も代表的なデザイナーのひとり。