部屋にまとまりを生むカラーリングのテクニック ハンガリーで人気のインテリア雑誌から学ぶ、マネしたくなるルームレイアウト
「インテリア」「デュアルライフ」「海外暮らし」をはじめ、不動産にまつわる様々な情報をご紹介。
著者:パップ英子 “FinoMagazin”(フィノマガジン)主宰(編集長)
ハンガリー在住コラムニスト。
食品会社でワインインポーター業務に従事した後、都内の広告代理店に転職。コピーライター、ディレクターとして勤務。百貨店やデパート、航空会社、ベビー・ブランド等のクリエイティブ広告で、インテリア製品のコピーライティング、ディレクション等を数多く手がける。
2013年、夫の国ハンガリーに移住後も育児に奮闘しながら執筆業に邁進。日本の雑誌(出版社)でハンガリー紹介記事(取材・撮影・文)を担当。また、自身とハンガリー人クリエイターとで運営するブダペスト発ウェブメディア“FinoMagazin”でもインテリアを含めたライフスタイル全般コラムを連載。美容メディアにてビューティ・コラム連載、その他、企業のWEBサイトや企画書制作、日本のTV局、広告代理店、メーカーからの依頼でハンガリー現地ロケ・コーディネート等、多岐に渡る業務をこなしている。
自身主宰のハンガリー情報WEBメディア “フィノマガジン”
http://www.finomagazin.com/
1960年代に創刊された『Lakáskultúra(ラカーシュクルトューラ)』は、ハンガリー国民に長く親しまれているインテリア雑誌。今回は、このインテリア雑誌で紹介された、一般家庭の素敵なお部屋の数々をご紹介しながら、部屋のカラーリングについてお話しします。
■ハンガリーで最も愛読されているインテリア雑誌
これまで北欧インテリアや雑貨について特集してきましたが、今回は、筆者が暮らすハンガリーのインテリア雑誌に掲載された、一般家庭の素敵なお部屋の数々をご紹介したいと思います。
1960年代に創刊された『Lakáskultúra(ラカーシュクルトューラ)』は、ハンガリー国民に長く親しまれているインテリア雑誌です。タイトルのLakáskultúraは、ハンガリー語でLakás(ラカーシュ)=アパート、kultúra(クルトゥーラ)=文化という意味で、その名の通り、ハンガリーのアパートや一軒家の素敵なインテリアが毎号、誌面を賑わしています。
インテリア・コーディネートの実例が数多く掲載されている同誌ですが、1冊当たり425HUF(フォリント)と日本円で180円台という破格のプライスなのも、数多くの読者達から愛され続ける理由のようです。ハンガリーの親戚や友人、知人宅にお邪魔すると、このLakáskultúraがサイドテーブルやローテーブルの上に無造作に置かれている光景をよく目にします。
余談ですが、筆者がふたり目の子を出産する前に、ハンガリー人のママ友さんがこのLakáskultúraをたくさん貸し出してくれました。同室の妊婦さんや看護士さんは当たり前ですが、皆ハンガリー人。英語で会話ができるハンガリー人が周囲にひとりもいなかったため、まだハンガリー語が今よりも不自由だった当時は、とても孤独な状態でした。
産院で出産を待つ間、この雑誌を何冊も見て過ごしたのをいまでも思い出します。異国の地での出産に対する不安を少しでも紛らわすことができたのは、Lakáskultúraに載っていた素敵なインテリアのおかげだったかもしれません。
■アンティークな雰囲気が漂うリビング・ルーム
余談が長くなったので、本題に入りますね。ハンガリーのインテリア雑誌では、どのようなお部屋が掲載されているのか、実際に見ていきましょう。
木の温もりに温かみを覚える窓際のコーナー。こちらの写真は2016年1月号に掲載された、アンティークな雰囲気が漂うリビング・ルームの一角です。
古いタイプの窓枠や木製の足が可愛いらしいソファ、籐のカゴなど、自然素材を活かしたアイテムの数々に、レトロな魅力が漂っています。
壁や窓枠、ソファの色まで、ホワイトカラーで統一された室内は、窓辺に咲く花々やミントグリーンのソファカバーなどパステルカラーをチョイスして、優しく温かい雰囲気を色で足し算しているところがポイントですね。