小池百合子のMOTTAINAI 熊本地震。スピード感と安心感が必要です。

 4月14日夜、熊本県熊本地方を震源とする震度7の地震は、28時間後の16日深夜の地震(震度6)を「本震」として、地域に大きな被害をもたらし、今も収束の兆しが見えません。最初の揺れが「前震」前触れに過ぎなかったとは。

 亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、「余震」が絶えない中、心細い思いで過ごす被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。

 被災の現場において、問題は山ほどあります。まずトイレ。ふだんの快適なトイレ生活を送っていると、なおさらです。和式トイレが多い避難場所ではしゃがむのが大変。長蛇の列の仮設トイレでは落ち着かず、肝心の用が足せない。水が流れず、便が積み重なって不快、などなど。結果として、体調を崩す人が続出します。

 阪神大震災の際は、トイレ掃除のボランティア部隊が全国から駆け付け、素手で便器を清掃していました。トイレ掃除を社員教育の一貫として実施している某企業が組織していたもので、被災者からは感謝と感動の嵐でした。

 こどもの声がうるさいと、近所の賛同が得られず、保育園などが建設を断念するケースが報じられる中、雑魚寝を強いられる避難所では乳幼児を抱えるママたちも苦労します。水の確保が困難な時は粉ミルクが使えず、ますますこどもがぐずり、ママも泣きたくなります。

 東日本大震災の時には、水が不要なフィンランドの液体ミルクが大活躍しました。今回も日本とフィンランドの友好議員連盟が中心となって、液体ミルクを送る連携プレーが行われています。

 問題は支援物資が全国や世界から寄せられても、必要な場所になかなか届かないこと。阪神大震災でも芦屋の市役所に毛布が山積みのままでした。公平を期することを旨とする行政の動きは鈍くなりがちです。

 そこで行政と被災者の間に入る組織が必要です。社会福祉協議会や町会連合会に下部組織を編成、一任できる責任者を決めておくことです。完璧を期すあまり、全体が不利益を被る図式はそろそろやめましょう。

 昔は地域を仕切るオヤジがいたのですがね。(自民党衆議院議員)