【最新旅行トレンド】「ながら」の旅でリラックス!
「2日休めれば10連休!」といったフレーズで語られる今年のゴールデンウイークだが、「大きな計画を立てられるほどじゃない」と、予定ナシの人もかなりの割合で存在している。そんな状況を見越してか、この大型連休に合わせるようなタイミングで乗り物を軸にした「ながら」の旅がスタート、熱い視線を集めている。まもなく、新潟で運行を開始するレストランバスを疑似体験してきた。
『レストランバス』の試乗会には多くの報道陣が詰めかけた。ピンクの高速バスなどでおなじみのウィラーアライアンスと、『丸の内朝大学』や農業実験レストラン『六本木農園』などのプロジェクトを手掛けるumariのコラボで生まれた2階建てオープントップのバスを使ったレストラン。日本初の走るバス型レストランだ。
誕生のきっかけは、地方を旅するとき、たいていの人が感じる移動手段の大切さ。訪れたいスポットはいくつもあるのに、その間をつなぐ交通手段が限定されていたり、まったくなかったり。マイカーやレンタカー、タクシーなどを利用しないかぎりスムーズに巡るのは難しく、旅程に時間の余裕を持たせる必要が出てくる。そうした問題を解決する方法のひとつとしてレストランバスが生まれた。観光スポットを結ぶのはもちろん、その移動中に訪れた場所で収穫したものや土地由来の味を味わい、2階建てバスならではの景色を堪能できる。少し欲張りなプランになりそうだ。
試乗会のコースに設定されたのは、東京・丸の内から東京タワーまでの往復。本来の所要時間3時間強ツアーと比べるとかなりのショートコースになるが、レストランバスを味わうには最適のコースだ。丸の内のビル街に着けられた真っ赤な2階建てバス。その1階には専用キッチンが設けられていて、大きく空いた窓からは忙しく作業をしているスタッフの姿が見える。そんな彼らを横に見ながら2階へと昇ると急に視界が広がる。窓は綺麗に磨き上げられて外と区別がつかないほどで、ルーフが開かれると解放感はマックスに達する。テーブルで食前酒を嗜みつつ今日のメニューを見ると、豪華な気分だ。
変化する車窓、オープントップになった座席で風を感じながら見上げる東京タワー、普段の歩道からの目線とは違った風景が広がる。それに合わせて、キッチンで用意された温かい料理が運ばれてくる。季節を反映した一皿一皿は目でも舌でも、もちろん香りでも十分に楽しませてくれる。実際のツアーでは、食材は訪れた場所のものや、ツアーのコースに含まれる収穫体験や酒造などの見学に関わるものになったり、さらには季節によってメニューも変わるというから、仲間はもちろん、偶然一緒に旅をすることになった人たちとも、話が盛り上がりそうだ。
レストランバスは今月30日から7月いっぱいまでの土日で稼働。現在は「新潟の旬を食する旅」をテーマに、新潟駅発着の土曜日のランチプランとディナープランの予約を受け付けている。今後日曜日のスペシャルプランの内容も発表される予定だ。レストランバスの詳細は、公式サイト( http://travel.willer.co.jp/restaurantbus/ )でチェックできる。
レストランバスでの「ながら」旅は、これまでとは一味違う旅を楽しみたい人はもちろん、食べることが好きな人、プラスαが好きなちょっと欲張りなトラベラーも楽しませてくれること間違いなし。現状のコースは夏までの稼働だが、今後は他の地域でも走らせたいそうだ。
長期休みは取れない、海外旅行は無理と旅の選択肢を狭めがちな大人たちに、「ながら」の旅は、新しい旅のアイデアやスタイルを提案してくれそうだ。
「ながら」の旅の乗り物のイメージは電車だろう。イベント電車と呼ばれるさまざまな電車が都内はもちろん全国各地で走り、なかには乗車切符を手に入れるのが困難なものまである。
それとは別なところで、電車ファンや現代美術ファンに限らずに幅広い層から注目を集め盛り上がりを見せているのが、この29日、上越新幹線の越後湯沢〜新潟間にデビューする『GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)』だ。走る美術館とも呼ばれ、新幹線で移動しながら現代アートを鑑賞できるのが特徴で、松本尚、小牟田悠介、paramodel、古武家賢太郎、石川直樹、荒神明香、ブライアン・アルフレッドという現代アーティストがこのために作品を書き下ろし、展示されている。エクステリアは蜷川実花が担当している。
4〜6月は土日とゴールデンウイークに1日3往復運行。1両は通常の新幹線指定席と同料金、他5両はツアー商品として販売される。7月以降の運行スケジュールは未定。