【インタビュー】-55kg王者・武尊 小澤海斗の挑発で壊し屋の本能に火が点いた!

「K-1 WORLD GP 2016 IN JAPAN ~-65kg世界最強決定トーナメント~」(6月24日、東京・国立代々木競技場第二体育館)のスーパーファイトに出場する武尊のインタビューを公開。

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――3月大会のヨーセンチャイ・ソー.ソーピット戦は見事なKO勝利でしたね。
「ムエタイのチャンピオンクラスの選手が相手ということで、ものすごく対策練習をやって、その作戦が上手くハマった感じですね。最初から思いっきりローを効かせて、近い距離になったらボディーを効かせて、最後は上(顔面)で倒すっていう。想定通りに倒すことができました」

――ヨーセンチャイ戦は武尊選手の上手さも見えた試合だったと思います。武尊選手自身も今までにはない自分を見せられたという実感はありますか?
「そうですね。いつもはパンチでガンガン行くことが多いんですけど、蹴りも出せたかな、と。今回は原点に戻って空手の蹴りを練習していて、ハイキック一つとっても上体を倒して蹴る空手の技を出したり、そういうことはできましたね」

――もっともっと進化しなければいけないという気持ちはチャンピオンになってからも変わらないようですね。
「僕は自分でもまだ未完成だと思っているんですよね。試合映像を見ても荒いし、テクニックも完成されていない。でもそれは直すところがたくさんある=まだまだ強くなれる・成長できるということだと思うので、これからもっとレベルを上げていきたいですね」

――そして今大会では小澤選手と対戦が決まりました。試合が決まった時はどんな心境でしたか?
「僕が人生で初めて獲ったベルトがKrush-58kgのベルトなんで、今それを巻いているという意味では対戦相手として不足はないです。K-1の試合に専念するために返上したベルトですが、ものすごく想い入れがあるし、ずっと自分の手元にあったから私物のような感覚もある。それを別の人間が巻いているのを見ると気分が悪いです(苦笑)」

――武尊選手もチャンピオンとしての行動や発言を求められる立場ですが、久しぶりにムカつきましたか?
「僕もベルトを獲るまでは言いたいことを好きに言っていたんですけど、チャンピオンになってからはより多くの人にK-1や僕を知ってもらうために、言葉使いや振る舞いを気にしていたんですね。でも今回はそういうことを考えたくないくらいムカつきました。久々にリミッターを外して戦います」

――最後の写真撮影では乱闘寸前にもなりましたが、もうあの場でやってやろうと思いましたか?
「本当にやってやりたかったですね。僕はKrushで試合をしていたころ、ずっと相手を“壊す”戦い方をやってたんですけど、今回はそれを思い出します。僕の中で“倒す”と“壊す”は違うもので、K-1に出るようになってからは“倒す”ことを意識して練習・試合をやっていたんですけど、今回は違います。アイツを“壊す”つもりです」

――小澤選手は「俺が武尊を食ってやる」と言い続けていま……。
「(途中で質問を遮って)それがムカつくんですよ。僕の今の地位や人気を妬んでいるのは、それだけ僕を評価していることの裏返しだと思うんですけど、僕に勝ってそれを奪うとか持っていくという発想がムカつきます。僕がどれだけ努力してここまで来たか? それを全く分かってないし、そこにリスペクトも何もなく、ただ単に挑発するのは本当に腹が立ちます」

――正直「コイツは俺をなめている」と思いましたか?
「それこそ人気だって、ただ試合に勝つだけ、強いだけじゃ得られないんですよ。あまり自分が言うことじゃないかもしれないですけど…僕は試合に勝つための練習を100%やって、それプラス試合前でもみんなにK-1を知ってもらうための活動を続けてきました。そこもすべてひっくるめてK-1を引っ張っているつもりです。それだけの覚悟もあります。その立場をああいう挑発的な態度でごちゃごちゃ言われるのは本気でムカつきます」

――ずばり自分の名前を出されるのは不愉快ですか?
「チャンピオンになった時に『武尊と戦わせろ』と言ってたみたいですけど、名前を出されるだけでもムカつくんですよ。武尊の“た”の字も言わせないくらい圧倒的に勝ちます。もう今から速攻で道場に戻って追い込み練習を始めたいくらいですね」

――ここ最近にはない感情で試合当日を迎えることになりそうですね。
「過去最高にモチベーション上がってるんじゃないですかね。アイツを壊すためにいい練習ができると思います」