脱こじらせへの道 第23回 性欲は日本人には義務かもしれない
今回は「みーんな大好き!? セックスは好きですか?」というアンケートをもとにお話をしてみようと思います。
まず結果からいうと、「嫌い」という選択肢も用意したんですが、嫌いという人はいませんでした。「GIRL’S CH」のユーザーですから、それはそうでしょう、という結果です。
いつもならこういう場合のこじれは、好きなのに「好き」というのが恥ずかしくて、「そうでもない」と言ってしまう状態になるというところに落ち着くかと思いましたが、今回に関しては、そういう考え方のほうがこじれているのかもしれないと、ちょっと思ってしまいました。
人間の三大欲求って「食欲」「性欲」「睡眠欲」と言われていますよね。長さはともかく寝ない人はいないし、食事も取らなければ死んでしまうかもしれない。でもそれに比べて性欲って、セックスしなかったから死ぬということはないですよね。ゆるやかに人口が減っていった結果人類が滅びるということはあるかもしれませんが…。
そんな好き嫌いの範疇でやるかやらないか選べるというものが、なぜ三大欲求に入っているのかなと疑問が湧いてきました。
そんなこと考えながらググっていると、どうやら三大欲求というのは心理学から来ていて、日本特有の言い方らしいんです。
「三種の神器」とか「御三家」とか「三大首都圏」といった感じの“三大なんとか”というのがありますよね。どうもそれになぞらえて作られたのではという説があるようなんです。
そう考えると、食欲と睡眠欲が先にあって、「もう一個欲しいな」ということで、無理やり加えられたものなんじゃないかっていう考えも浮かびますよね。
「やりたい」という意味では間違いなく欲求ですが、ほかのふたつと明らかに質が違うというのも、これで説明がつきます。
もともと人間というものは存続するために性欲を持たなければならないとするなら、日本人は「三大欲求」と定義してまで性欲というものを意識しなければいけないということなんでしょうか。
日本人はそんなにセックスは好きじゃないんじゃないか。でも好きじゃないとなると、子孫繁栄に大きな問題があるから、無理やり三大欲求に入れなきゃみんな自発的にセックスをしなくなるくらいの国民だったんじゃないか、きっと…といった感じです。
回数が少ないということもいろいろな調査で明らかですし。
自然発生的な欲求ではなく、ケツを叩かないとセックスをしないのが日本人なのかもしれません。
となると今までの「好きで当たり前」「みんなセックス好きなはず」という、私の考え自体が誤りだったのかもしれないなと思いました。日本においては。
その一方で、AVや風俗は本当に充実していますよね。
AVのジャンルの多さや細かさは世界随一だと思いますし、風俗のジャンルも豊富です。
市場として成り立っている以上、完全にセックスが嫌いだということはないはずです。
その半面、テレビではおっぱいも見られないんですよね。有害図書に対する取り締まりも厳しくなっています。
エロに対しては特に、反対する意見のほうが大きく聞こえます。
GIRL’S CHでもそうです。レイプものの動画は注意喚起のポップアップをつけているにも関わらず、視聴して批判的な意見を書き込むユーザーさんがいらっしゃいます。もちろんそういうジャンルを好きな女性はいますし、ひっそりと見て楽しんでいらっしゃるのかもしれませんが、レビューでの書き込みを見る限りでは反対派が多いように見えてしまう。
これは一例ですが、男性向けのAVやエロを扱うメディアでも同様です。そして結果的に、取り締まりが厳しくなっていく。
何もかもこっそり見なければいけなくなってしまったら、人々はそれを「いけないこと」と思ってしまうのではないでしょうか。
取り締まられるエロ=いけないこと。
そうして、これからセックスが嫌いな人がどんどん増えていくかもしれません。
だからほうっておいたらどんどんそういう方向に進んでいって、嫌いな人がどんどん増えて行くような気がします。
我々みたいなAVの人たちが頑張らないといけない。
アンケートに戻りますと、セックスが好きな理由はだいたい納得できるものでした。
わりといい話。楽しんでるなって思います。
「どちらでもない」と答えられた方も、前戯もセックスのうちと思えば、セックスは好きですよね。そう考えるとほぼ100%セックスが好きという回答でした。
GIRL’S CHのユーザーさんは、みんな楽しんでくれているなっていう感じがします。前向きな意見が多くていいなと思いました。
不倫のアンケートのときのように物語が入っちゃっている人もいない。こんなに自分語りがないのは珍しかったです。
「セックスが好きだ!」ということをみんなが言える状況になっていることはいいことです。特に女性にとっては。昔というより、少し前までは言えなかったですから。
今回は、自分の大前提が揺らいだアンケートとなりました。
随分大きな話になって収集がつかなくなりそうなので、今回はこれくらいにしておきます。
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。
過去のコラムはこちらでチェック!
<脱こじらせへの道 アーカイブ http://www.tokyoheadline.com/?p=165709http://www.tokyoheadline.com/?p=165709 >