国際連携と情報共有がテロから国と命を守る【対談】中山泰秀×潮匡人氏
2020年に向けて
5月に伊勢志摩サミットが行われ、2019年はラグビーのワールドカップ、そして2020年には東京オリンピック・パラリンピックも開催。日本で国際的な行事やイベントが続く。
中山「地政学、地球を俯瞰する外交はとても重要です。ベルリンの壁は崩壊しましたが、朝鮮半島における38度線をにらんだ情勢に変化はありません。国と国の戦いを考えた場合、仮に北朝鮮からミサイルが飛んできたら10分以内に、日本国内すべての地域に着弾します。他方でテロとの戦いの場合、テロは単発で終わると考えている人が多いと思いますが、ISILは“テロ”ではなく、私たちに“戦争”を挑んでいる認識です。攻撃側と受ける側との認識にずれがある。これからの時代の戦争は、戦争らしくない戦争のスタイルで展開されていきます。いかなる形の暴力であれ、戦争は戦争という事実を解釈して、理解し、現実を直視した対応が必要です。自分たちの国をどうやって守るのかを、国民全体で真剣に考えていかなければなりません」
潮「私たち国民が決してテロを他人事だと思ってはいけない。かつてロンドンでサミットが行われたときも、公共交通機関が狙われて実際に犠牲者が出た。しかしそれを教訓にすべての都内の駅やバスに警護体制を敷くのは無理です。しかし、例えば、抜き打ち的に特定のスポットで、そうした手荷物検査を行うということを考えてもいいかと思います。新幹線などについても、毎回すべてのものにやらずとも、抜き打ち的にやるだけで、抑止的な効果は上がるでしょう。そういう時に利用者である我々は、不便だと感じるかも知れませんが、自由や人権を守るためには、避けられないことなんだと、一人一人が認識を改めていかないといけないと思いますね」