『駅弁味の陣2016』開催中 駅弁で知る、奥深き日本の食文化!
日本全国、その土地自慢の駅弁あり。JR東日本では現在、エリア内の名物駅弁の頂点を決めるコンテスト『駅弁味の陣2016』を開催中。エントリーする駅弁を食べ、味、彩り、掛け紙(包装)、価格などの項目を採点し投票するというもの。今年は、新作駅弁29種類を含む過去最多の61種類の駅弁が“出陣”している。
近年、駅弁はスーパーマーケットやデパ地下など駅以外でも販売されることも多く、旅先だけにとどまらない食ジャンルとなっている。そんななか、鉄道会社が駅弁を盛り上げることの意義を『駅弁味の陣』主催者の1人、東日本旅客鉄道株式会社の表輝幸氏はこう語る。「開催の目的は大きく2つ。まずは列車の旅をより充実させたいということ。駅弁の魅力を通して、鉄道での旅行需要に加え地域の活性化も目指したい。そしてもう一つが駅弁文化の継承です。駅弁が文化としてここまで定着し親しまれているのは日本ならでは。駅弁は日本独自の食文化ともいえます」。今年、JR東日本はパリのリヨン駅や台湾の台北駅で駅弁スタンドを期間限定出店。現地の人々から予想を超える反響があり今後は駅弁のインバウンド対応も意識したいと語る。しかしその一方で、駅弁を作る“駅弁会社”は年々、減少傾向にあるという。「実は駅弁会社の多くが、いわゆる“老舗”。100年続いている会社が7割近いんです。代々受け継がれてきた味やこだわりを今後も守っていくことはとても大事なことだと思います」。
世代を超え国を越え人を魅了する駅弁文化。表氏は「駅弁には3つの楽しみがあります」と語る。「以前、私が駅弁会社の社長を務めていたときフタを透明にし低価格の駅弁を出したところさっぱり売れなかった。そのときお客様に言われました。駅弁には3つの楽しみがある。一つは食べる前に掛け紙のデザインや箱の形からどんな弁当だろうと想像する楽しみ。2つ目は食べたときの楽しみ。各地の郷土料理や食材を味わえば旅もより充実する。3つ目は食べ終わったあとの楽しみ。駅弁は食べ終われば旅の思い出になる。中には掛け紙をとっておく人もいる」。
開催期間中、東京では東京駅構内の〈駅弁屋 祭〉などでエントリー駅弁を各種販売。もちろん各地元駅でも販売するので旅先で味わうのも良し。