12・18「Krush.71」山本真弘、ー60kg王座決定トーナメントで新章の幕が開く!
「Krush.71」12月18日(日)後楽園ホーに出場する山本真弘選手のインタビューを公開。
「強い選手は強いし、王座に返り咲く選手は返り咲く。そういう“波”だと思っています」
12月18日(日)東京・後楽園ホールで開催される「Krush.71」の[第5代Krush-60kg王座決定トーナメント一回戦]で加藤港と対戦する山本真弘のインタビューを公開!
――今大会からN.F.T.T所属として試合をすることになりました。所属ジムを変えて心機一転しようと思った理由はなんだったんですか?
「今まで自分はずっと藤原(敏男)先生から教わっていたのですが、それが変わって自分の中でモヤモヤがあったんですよね。それで1年ほど前から環境を変えたいと考えていました。実際に環境的にもずっと一人でやっているような感じだったし、これだったら自分一人でやろうかな、と。4月のK-1(-60kg日本代表決定トーナメント)の前から環境を変えることは決めていて、トーナメントが終わったあとに所属していたジム(Golden Globe)に話をしました」
――今はどのような場所で練習しているのですか?
「昔から通わせているボクシングジムでトレーニングさせていただいていて、フィジカルトレーニングも変わらずやっています。今はそこが中心になっているので、キックボクシングの練習の拠点を探しているところですね」(※取材は対戦カード発表会見後)
――大幅に練習環境が変わったと思うのですが、新しい環境での練習はどうですか?
「やっぱり外に出ると緊張感が出てきて、今まではなあなあになっていた部分がかなりあったと思います。例えば今までも出稽古でボクシングジムに行っていて、そこでやっていること自体はそんなに変わらないんですけど、今の方が独り身になって色々と気づいたりするので収穫は多いですね」
――あくまでN.F.T.Tは真弘選手が試合をする上でのチームということなので、基本的には真弘選手が自分で考えなければいけない環境なんですね。
「はい。だからちゃんと一つ一つの物事に対してしっかり考えて動いてます。ここ2年間ぐらいは惰性でやっていたところもあって…今までやってきた練習を引き続きやって、息だけ上げればいいやって感じだったんですよ(苦笑)。技術的なものも何も考えずに、ただただ時間を費やして練習して満足して……その繰り返しだったので、結局結果も出せず、負けても改善されずって感じでした。ここ1~2年はそういった練習への姿勢が完全に試合に出てましたね」
――なるほど。今は練習から緊張感を持って取り組んでいるのですか?
「ずっと頭で考えてやっているので、それが久しぶりの感覚というか。藤原先生がいた時は常に緊張感もあって、その中で自分で考えて、藤原先生がアドバイスをしてくれるというのが当たり前だったんです。そこが昔と似たような環境で、自分で考えているところに周りからアドバイスしてもらって出来ている感じですね」
――かつての藤原先生のポジションが今はボクシングのトレーナーさんであり、フィジカルトレーニングのトレーナーさんだったりするわけですね。
「はい。ボクシングのトレーナーさんも僕をボクシングの型にはめようとするのではなく、キックとボクシングをしっかり分けて話してくれる人たちなので、ちゃんとこちらも意見も聞いてくれます」
――試合の間隔こそ空きましたが、真弘選手としては気持ちの面でガラッと変わった所が試合で見せられそうですか?
「そうですね。やっぱり気持ちの面ですね…。今は良い感じでリフレッシュ出来て、気持ちと頭を整理出来ています」
――さて今回のKrush-60kg王座決定トーナメントへの出場オファーを受けた時はどんな心境でしたか?
「特には。試合があったらやるというスタンスは前から変わらないし、『あ~トーナメントか~』ぐらいの感じです(笑)」
――純粋に今、練習でやっていることを試合で出したいという感じですか?
「今は特にそんな感じですね。ちゃんと練習で考えていることをいかに相手に合わせて出せるかって感じです」
――対戦相手は加藤選手に決まりました。真弘選手は試合が決まらない限り、あまり対戦相手のことを見ないタイプだと思いますが…どんな印象がありますか?
「僕はそこまで対戦相手を研究しない方なので『対戦相手が加藤選手です』と言われて『はい。わかりました』って感じです。今は『どんな選手だろうな』や『構えが右か左か、どっちかな』ってくらいです」
――トーナメントであってもなくても試合に勝ちたい気持ちは変わらないと思いますが、この試合にかける意気込みや考えていることはありますか?
「4試合勝って初めてベルトなので、まだベルトのことは意識していません。この試合そして一試合一試合、しっかり集中していきたいです」
――今回のトーナメントには全16選手が出場していて、様々なキャリアを持った選手たちがいます。その中に交じってベルトを争うことをどう感じていますか?
「若い子がいっぱいいるので面白いですよね。自分の中で凄く印象にあるのが朝久(泰央)君で、まだ朝久君が小学生の時に藤原先生が主宰していた大会に朝久館長と一緒に福岡から来て出場してたんですよ。その時に試合に負けて落ち込んでる姿を見ていたりしたので、まさかその選手が年齢も重ねて、ここまで上がってきて、同じトーナメントに出てくるっていうのが面白いですよね」
――真弘選手も気持ちをリフレッシュして、一選手として戦っていくって感じですか?
「新章と言いますか…(笑)。過去のことは終わって、また新しく自分も変わって第一章のスタートだと思っています」
――厳しい言い方になってしまうかもしれませんが、真弘選手は周りから「昔は強かった」という見方をされることもあると思います。それについてはどう感じていますか?
「格闘技はなんでもそうだと思います。勝っている時は周りもチヤホヤするし『今がピークだ』と言ったりするけど、負けたら負けたで『もう引退だ』みたいな(苦笑)。でもボクシングの長谷川穂積選手も前回まで散々周りから言われてきたと思うんですけど、世界王座に返り咲くと周りの評価がガラリと変わるじゃないですか。だから強い選手は強いし、王座に返り咲く選手は返り咲く。そういう“波”だと思っています」
――最後に真弘選手の試合を楽しみにしているファンの皆さんへ一言お願いできますか?
「自分の試合を見に来てくれてる人たちの気持ちは裏切れないので、そこだけはしっかりやりたいと思います」
〈主催のグッドルーザーより〉