11・12修斗環太平洋王座決定戦 フェザー級は石橋、ライト級は高橋が戴冠

10カウントゴングを聞く菅原(撮影・蔦野裕)

 第3代世界バンタム級王者の漆谷康宏が5年ぶりに修斗参戦。そして2016年度同級新人王&MVPの田丸匠と戦うという究極の世代交代マッチは田丸が1R4分48秒、腕ひしぎ十字固めで一本勝ちを収めた。
 漆谷はパンチで田丸の左まぶたをカットするなど、序盤はらしさを見せたが、田丸はパンチからのタックルから足を払ってテイクダウンに成功するとサイドからバックを奪い、バックからパンチ。防御する漆谷の右腕を取ると電光石火の腕十字を決め、タップを奪った。
 田丸は「漆谷選手はランカーの中で一番強いでしょう。来年はタイトルマッチをやらせてください」とアピール。
 一方の漆谷は「負けた選手がマイクを持つのはダメなんですけど」と前置きしたうえで、「田丸選手強かったです。絶対上に行ってください。田丸選手に勝ったらチャンピオン目指そうと思ったんですけど、ぶざまな戦いでした。これで引退したかったんですけど、あと1試合だけやらせてください。潔くあと1試合で引退します。次は誰でもいいです」と話した。

 また前回の後楽園ホール大会で石橋と激闘を繰り広げたものの敗れ、その後所属ジムを離れフリーとなった安藤達也がアメリカのケビン・クルームと対戦。2R3分13秒、チョークスリーパーでレフェリーストップ勝ちした。
 1Rにクルームにバックを許し、おんぶ状態からのチョークを狙われ、ラウンド終了時には三角絞めを許すなど、ピンチの連続だったが、2Rにクルームのタックルに右アッパーを合わせぐらつかせるとパンチの連打から最後はがっちりスリーパーホールドを決め、絞め落とした。

 この日は第5代世界バンタム級王者の菅原雅顕の引退セレモニーが行われた。菅原は「修斗という最高の舞台で、最高のライバルたちと試合ができた時間は私にとって大きな財産です。みなさんからのたくさんの声援をいただいたことはすごい宝物です。本当にありがとうございました。菅原雅顕は本日をもって現役を引退いたします。今後は指導者として新たな道を歩みます。長い間、本当にありがとうございました」と挨拶。そして10カウントゴングを聞いた。