脱こじらせへの道 第40回 女性がAVにストーリーを求める理由

「AVの「中出し」プレイは好き? 嫌い?」

 この「脱こじらせへの道」もついに40回を迎えました。

 そんな中で今回は、過去もっとも過激な!?テーマを取り上げてみようと思います。


「AVの「中出し」プレイは好き? 嫌い?」


 TOKYO HEADLINE史上、「中出し」の3文字が掲載されるなんて初めてなのではないでしょうか…!?


 ええと、そもそも「中出し」って何?という方がいるかもしれないので、簡単に説明を。

 ひとことで言ってしまえば、AV作品での男性のフィニッシュシーンの表現方法のひとつです。


 AVは映像作品なので、見た目にわかりやすいクライマックスが必要とされます。

 特に、今のメインユーザーは男性が多いので、男性が共感できるクライマックスということで、射精シーンでひとつの作品の区切りとされることがほとんどです。

 射精がわかりやすいように女優さんの身体や顔にかけたりすることが多いのですが、それをせずコンドームをつけずに膣内で射精する描写を「中出し」と言うんですね。


 さて、なぜ今回このアンケートテーマを取り上げたかというと、この「中出し」描写、女性にとってはどっちでもいいという意見が多かったんですよね。


 女性向けAVと男性向けAVの違いとして、女性向けAVは物語性がある、ということを言われることがあります。

 これは誤りではなく、実際にドラマ作品が多いのですが、女性向けAVの場合はプレイに必然性が求められる、というのが正確な言い方なのではないかと思います。

 たとえば、セックスをする男女ふたりはどういう関係があって、どんな思いでそこに至ったのか、というような。


 だから射精シーンも、そのふたりがどんな思いでそれを受け入れたかが重要なのです。

 ふたりの関係性を踏まえた上で、中出しや射精シーンが必然的なのであれば、女性ユーザーも感情移入して見ることができます。

「夫婦設定なら違和感なく見られる」という意見もありましたが、この夫婦は愛し合っているから中出しをしたんだな、とか想像できるところが良いようです。


 一方の男性ですが、「中出し」というジャンル自体を好む方が結構いらっしゃいます。

 単体女優さんの「中出し解禁」ものは売れ行きが伸びますし、タイトルに「中出し」という言葉が入った作品も多数見られます。


 アンケート結果にもありましたが、普段なかなかできないプレイだからこそ興味がわくという男性も多いでしょうし、征服感がある・支配欲が満たされるという意見もあるかと思います。

 男性ファンにとってはどちらかというと、この「中出し」という行為自体にプレミアム感を感じているのではないでしょうか。


 とは言っても、以前このコラムでも書いたのですが、AVはエンターテイメントであり、そこで描かれる「顔射」や「中出し」は演出上のものですので、世間的にこれが標準というわけではありません。そこは勘違いのないように改めて書いておきます。特に「中出し」については…ですね。


 2017年は男女の違いにフォーカスを当てていますが、今回のテーマでも男女の違いは大きく現れますね。


 男性は「自分の種を残したい」という思いが強く、だからこそ女性への征服感が強く出る「中出し」という行為に共感する人が多いのだと思います。

 対して女性は、「この人の子供を産みたい」という「特定」を意識することが多く、必然性を求める、ということが強く現れた結果となりました。


 とはいえ、最近はそればかりではないという傾向もあります。

 エロメンや人気AV男優の女性ファンが増えてきたことにより、好きな男優さんの感じている姿を見たいということで、あえて射精シーンを見たいという女性ユーザーの声を聞くことも多くなりました。

 ですのでGIRL’S CHではあえて男優さんの射精シーンを撮ったりしているなんてことも。


 これまでは男性ユーザーがほとんどであったAV業界も、女性ユーザーが徐々に増えてきたことによって、中出しや射精シーンもこれまでと違った描かれ方をしていくのかもしれませんね。



田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL’S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL’S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL’S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。

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