中村勘九郎×中村七之助×蓬莱竜太 赤坂の街を華やかに彩る「赤坂大歌舞伎」、今年は新作に初挑戦!
テーマは恋愛?
勘「恋の話ではありますが、恋する難しさと、男女なら経験したことがある日常のスリリングな会話を楽しんでいただければ。さすが蓬莱さんというような、一度は聞いたことがあるセリフとか。時代的には江戸ですが、人間の感情とか男女関係の気持ちは変わらないということを、改めて蓬莱さんが教えてくれているような作品ですね。蓬莱さんが持っている言葉のセンスとか、普段見ていたお芝居で繰り広げられているような会話もさすがですし、その辺りも存分に楽しめると思います。あと、いつも見ていて思うんですけど、変な女性を描くのが素晴らしい(笑)。不思議というか、屈折したというか…。これは七之助がやる歌という人物の魅力にもつながっているんじゃないでしょうか」
七「僕もそう思います。セリフも素敵ですし、内容もすごい。泣かせるとかそういうことではなく、自然と胸が痛くなってくる感じ。日常誰にでも起こりうることで、痛みだったり、悲しみだったりがひしひしと伝わってくる。そういう現実や感情が詰まっている作品だと思いますね。よく今までにない作品とかっていいますが、これは本当に今までにない。今までにない新作、今までにない歌舞伎です。しかし人間の根本に関することなので、歌舞伎としてやるべきことなんですよね」
蓬「恋愛もひとつの要素ではありますが、それだけではない。友達が変われば人生ってこんなに変わるんだっていう怖さなど、人が自分の人生の与える影響の大きさとか、同じ友達でも質が違うとこんなにもいろんな人の人生に影響してしまうとか、人間ドラマ全般です。それぞれが太郎や歌をめぐって翻弄されるんですけど、パラレルワールドみたいなもので、人格が違えばこんなにも違う人生になるのかと。そんな人間ドラマが大きな主軸で、恋愛を要素として、ダイナミックな芝居になればと思っています」
十八代目勘三郎が今回の試みを見たらどう思うのだろうか。
七「まず、台本をみるでしょうね。すごく新しいことに興味のある人だったので、台本を見て純粋に“大変だな。これどうやるの?”って。自分の中で興奮して“俺もやりたい”って言いながら“これ、どうやるんだろう”って真剣に考えると思います。いい作品だったら手放しで喜んでくれると思いますし、常に父に喜んでもらえるような芝居を作っていきたいと思っていますね。それは今回の舞台に限らず、すべての芝居についてですけど、常に父の事は意識はしています」
勘「先ほども言いましたが、同世代の作家さんと出会って仕事をできたことを誇りに思っていた父ですから、良かったと思ってくれているんじゃないでしょうか。“お前らもいい作家さんと出会えたらいいね”と言っていたのは、こういう事だったんだなって今、思っています。今度の赤坂大歌舞伎は、歌舞伎界だけではなく、演劇界にも衝撃を巻き起こす事件だと思っています。必死にやりますので、多くの皆さんに劇場に足をお運びいただければこんなうれしいことはありません」
七「僕たち2人を含め、今回の作品に出演する役者にとって、今後の俳優人生に大きな影響を与える作品になると確信しています。それくらいすごい舞台になりますので、生で今度の赤坂大歌舞伎を体験して下さい」(THL・水野陽子)
【出演】中村勘九郎、中村七之助、市川猿弥、中村鶴松、中村いてう、中村亀鶴、片岡亀蔵
【作・演出】蓬莱竜太
【日程】4月6日(木)〜25日(火)
【会場】TBS赤坂ACTシアター(赤坂)
【料金】S席 1万3000円、A席 8000円、B席 4000円(全席指定・税込)
【問い合わせ】サンライズプロモーション東京( TEL:0570-00-3337 10?18時)