片桐 仁 今年も俳優、アーティスト、芸人と大忙し【インタビュー】
撮影・蔦野裕
今回はベテランの鈴木の作品を劇団「柿喰う客」の新進気鋭の演出家である中屋敷法仁が演出するということも見どころとなっている。中屋敷の作品はかなり独特。その作品を見たことは?
「中屋敷さんとは初めてで作品も見たことがないんです。結構激しい動きが多いんだろうなって思っていて、ちょっと怖いんです。今回の出演者の中では僕が一番動けないんじゃないかと思うんです(笑)。運動神経が悪いんですよね」
どんなふうに仕上がるのか興味津々だ。
「めちゃくちゃ渋い脚本ですからね。塚田君とサクラパパオーという組み合わせも最初想像できなかった。でも舞台ってふだんのイメージとは全然違う役をあえて演じるという面白さもあると思うんです」
今年は本作のほかに2本の舞台への出演が決まっているという。
「舞台はみなさんと仲良くなれるし、役者個々のこれまでの道のりがやっぱり役に乗るんです。それがこの仕事の面白いところ。僕は最初、コントをやっていて横入りしたみたいな感覚がコンプレックスになっていました。役者の経験はなかったし全部独学で劇団にも入ったことはなかったけど、ありがたいことに舞台に呼んでもらった。“こんなのでいいのかな?”って思いながらやっていたんですが、そういったものが全部、役として役者の片桐仁に乗っていると考えると、“こういうタイプなんだからしようがない。自分は自分でしかないから、それをポジティブに使ってもらうしかないかな”と思うようになりました」