竹原ピストル 映画『永い言い訳』Blu-ray・DVDリリースで、いま最も気になるこの人を直撃!
シンガーソングライターとして役者として、新たなファンが急増中! 松本人志監督の『さや侍』や、名わき役総出演で話題を呼んだドラマ『バイプレイヤーズ』など、その音楽で強烈なインパクトを放つ竹原ピストルが、役者としても絶賛された映画『永い言い訳」』を語る!
「絶対一人で見ますよ、恥ずかしいじゃないですか! 赤面したりニヤニヤしたりしながら一人で見ます(笑)」と映画『永い言い訳』のBD・DVDリリースを楽しみにしつつも照れる竹原。本作では本木雅弘演じる主人公の小説家・衣笠幸夫が出会うトラック運転手・大宮陽一を好演し日本アカデミー賞優秀助演男優賞に輝いた。
「本編もですけどメイキング映像なども楽しみですね。未公開シーンも収録されているんですよね。NGシーンも? それは怖いなあ(笑)」
NGシーンに心当たりが?
「具体的なNGシーンではないんですが、撮り終えて思ったのは、もう少し自分に即興性があればな、ということなんです」
現場で西川美和監督から即興性を求められていた?
「娘役の(白鳥)玉季ちゃんからです(笑)。もう、その場で思いついたことをどんどん話しかけてくるので、それに応える芝居をしなきゃいけなくて。お兄ちゃん役の健心くんはもう大人と対等に話ができる年齢だったけど、玉季ちゃんは当時4?5歳の天真爛漫なころで、次に何を言ってくるかまったく予想がつかない。話しかけられそうになっただけで、もう内心ドキドキでしたね(笑)」
本作では妻に先立たれ複雑な感情を抱えながらも懸命に絆を守ろうとする率直な人物を、自然体で表現した竹原。そんな演技を引き出した一人が本木雅弘だ。
「本木さんと初めてお会いしたときのことなんですけど“初めまして、竹原ピストルです”とあいさつした瞬間に、本木さんが僕のレパートリー曲の一節をノリノリで歌いだしたんですよ。以降、僕にとっての本木さんはずーっと、そんな方です(笑)。現場でもよく僕の歌を口ずさんだり、歌の感想を聞かせてくださって、ほめていただいたりして。それが安心感を与えてくれたというか、俺みたいな者がここにいていいんだろうか、みたいな気持ちを取り除いてくれたんです。僕のことを肯定してくれる人。甘えたくなるけど甘えちゃいけないとも思う、尊敬する人です」
その感性にも共感を得た様子。
「僕が言うのもおこがましいんですけど
ね、本木さんの持っていらっしゃる言語感覚というのか、感性にすごく憧れを感じたんです。だから本作の撮影が終わってからしばらく経ちますけど、新曲ができるとデモテープをとって誰よりもまず先に本木さんに聞いていただいたりしてるんですよ」
本木にもセンスの近さを感じた?
「ちょっと似ているかもと思ったのが、こういう気持ちを伝えたいと思うとき、なるべく寸分のギャップ無く伝えたいがために、言葉が連なっていくところです(笑)。自分の思い描いている100%をどうにかこうにか伝えようとバーッと話してしまう。ときどき“で、何の話でしたっけ”となっちゃうこともあるんだけど(笑)、本木さんの場合そこに至るまでの、散文のように言葉が紡がれていくさまが、すごく面白いんです。思ったことをちゃんと伝えたいというその几帳面さと繊細さ、それでいて言葉選びの面白さ、にじみ出る経験が話を豊かにしていて」